抑鬱の予防にメディテラネアン・ダイエットが有効

(2018年3月) "European Journal of Nutrition" に掲載されたナバラ大学(スペイン)などの研究で、抑鬱の予防にメディテラネアン・ダイエットは有効だけれどMINDダイエットは有効でないという結果になっています。

メディテラネアン・ダイエットとは

メディテラネアン・ダイエット(以下「MED」)とは地中海地方の伝統的な食生活のことで、健康的な食生活の代名詞のようなものです。

MEDの内容は、野菜・果物・全粒穀物・オリーブ油・魚をよく食べ、赤ワインを少し頂き、赤身肉はあまり食べないというものです。

MEDを食べている人は総死亡リスク(死因を問わない死亡リスク)が低いほか、メタボリックシンドローム・脂質異常・2型糖尿病・心臓病・ガン・認知症・高血圧などの病気になりにくいというデータがあります。

MINDとは

MIND(*)ダイエット(以下「MID」)とはラッシュ大学の研究者がMEDとDASHダイエット(†)に基づいて考案した食事療法で、認知機能の維持に有益であると考えられる食品と栄養素が盛り込まれています。

(*) 「MIND」は "Mediterranean-DASH Diet Intervention for Neurodegenerative Delay(神経変性を遅らせるためのメディテラネアン&DASHダイエットによる介入)" の頭字語です。

(†) DASHダイエットとは高血圧を防止するための食生活のことです。 「DASH」は "Dietary Approaches to Stop Hypertension" の頭字語です。

MIDがMEDとDASHダイエットに基づいているのは、MEDが認知症予防に良いとされていたり、高血圧が認知症のリスク要因であるためでしょう。

MIDの内容

MIDは脳の健康に良い10種類の食品と、健康に悪いので控えるべき5種類の食品から構成されています。

MIDで推奨される食事

  • 全粒穀物を毎日3食分食べる。
  • 葉野菜も毎日食べる。
  • 葉野菜以外の野菜も毎日1種類食べる。
  • ワインをグラスに毎日1杯飲む。
  • 間食を食べるならナッツ類
  • 1日おき程度の頻度で豆類を食べる。
  • 鶏肉を週に2回以上食べる。
  • ベリー類(ブルーベリーや苺など)も週に2回以上食べる。
  • 魚を週に1回以上食べる。

MIDで推奨されない食品

  • 赤身肉
  • バター、マーガリン(1日あたり小さじ1杯まで)
  • チーズ(週に1回まで)
  • 焼き菓子・デザート類(週に1回まで)
  • 揚げ物、ファーストフード(週に1回まで)

MIDの特徴はベリー類

MIDでは、果物の中でベリー類のみを摂取が推奨される食品として指定しています。 研究者によると、ベリー類の中でもブルーベリーは脳の健康を維持するうえで非常に優秀な食品の1つです。 苺も複数の研究で認知機能にとって有益であることが示されています。

研究の方法

抑鬱ではない男女1万6千人弱の食生活を調べたのち10年間前後にわたり抑鬱の発生状況を追跡調査しました。

結果

追跡期間中に666件の抑鬱が発生しました。

食生活のMIDへの近さと抑鬱になるリスクとの間には関係が見られませんでした。

その一方で、食生活がMEDに最も近かったグループは最も近くなかったグループに比べて、抑鬱が生じるリスクが25%低下していました。

食品別の分析では、果物とナッツ類の摂取量が多い場合に18%、ナッツ類の摂取量が適度である場合に23%、ファーストフードや揚げ物の摂取量が少ない場合に37%、それぞれ抑鬱のリスクが低下していました。

関連研究

今回と同じナバラ大学などの研究チームが 2012年に "Public Health Nutrition" 誌に発表した研究では9千人弱の男女を6年前後にわたり追跡調査して、ファーストフードを最もよく食べるグループは最も食べないグループに比べて抑鬱が生じるスクが51%高いという結果になっています。