瞑想の効果には遺伝子レベルでの根拠があった

"Psychoneuroendocrinology"誌(2013年12月)に掲載された研究によると、瞑想による健康効果には遺伝子レベルでの根拠があります。

この研究で、瞑想に熟練した人たちに8時間にわたって瞑想をしてもらい、瞑想ではないけれど静かな時間を過ごした一般人と比較したところ、炎症を誘発する遺伝子(RIPK2 や COX2 など)の発現量が減少するなどの遺伝子・分子レベルでの変化が生じ、それによって、肉体がストレスから回復する速度が速くなっていたのです。
遺伝子の発現とは、 遺伝子の設計図に基づいて体内でタンパク質が作られることです。 炎症を誘発する遺伝子の発現量が減少するということは、炎症が減少するということでしょう。

炎症は、ガンや、心臓疾患、関節炎、自己免疫疾患、アルツハイマー病、糖尿病などの原因になっていると考えられています。 (参考記事: テロメラーゼが慢性炎症の原因だったDHAの抗炎症作用のメカニズムが明らかに
研究者によると、瞑想の影響を受ける遺伝子には、抗炎症薬や鎮痛薬のターゲットとなっているものも含まれていました。

瞑想が炎症性の疾患に対して有効であることは過去の複数の臨床試験で確認されていますが、今回の発見はそのメカニズムの解明につながると考えられます。

また、瞑想の影響を受ける遺伝子の中には、社会的ストレス(スピーチをするとか、テレビカメラと聴衆の前で暗算をするなど)により増加したコルチゾール(ストレスのホルモン)の量が元に戻る速度に応じて遺伝子発現の減少量が決定されるものもありました。 (瞑想によりコルチゾールの量が速やかに元に戻ることで、発現量が大きく低下する炎症誘発性の遺伝子もあったということでしょうか?)

瞑想を始める前には、瞑想者のグループと一般人のグループの間に遺伝子の違いはありませんでした。 (つまり、瞑想をする習慣によって炎症に耐性のある体質を獲得できるわけではなく、瞑想をするたびに炎症が軽減されるということでしょうか)

研究者は次のように述べています:
「我々の遺伝子の発現は非常に動的(固定的でない)です。 今回の研究では、瞑想によって遺伝子の発現に影響を与えられることが示唆されました」