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メディテラネアン・ダイエット全体では心不全の予防に効果が無いものの、魚と酒でリスク低下

(2016年8月) 糖尿病・高血圧・心臓病・ガンなど様々な病気の予防に効果が期待されているメディテラネアン・ダイエット(MD)ですが、ドイツで行われた研究で、MDを構成する食品カテゴリー(*)ごとに心不全のリスクに及ぼす影響が調査されています。

(*) 野菜・豆類・ナッツ類全粒穀物・オリーブオイル・お酒・魚・肉・乳製品
研究の方法

ドイツに住む中年男女2万4千人の食生活を調べたのち、約8年間にわたり心不全の発生状況を追跡調査しました。 追跡期間中に発生した心不全の症例数は200件超でした。

結果
MD総合
年齢・性別・カロリー摂取量だけを考慮した当初の分析では、食生活がMDに近いほど心不全のリスクが低く、MDスコア(*)が2点上がると心不全のリスクが24%下がるという結果でしたが、他の要因も考慮して分析するとこの結果の統計学的な有意性が消滅してしまいました。
(*) 食生活がMDにどれだけ近いかをスコア化したもの。 0~9点の10段階で、点数が高いほど食生活がMDに近い。
乳製品を除外すると...
ところが、MDを構成する食品カテゴリーから乳製品だけを除外して、その除外後のMDに食生活がどれだけ近いかを分析したところ、食生活が除外後MDに近いグループは心不全のリスクが25%低いという結果になりました。
乳製品をMDから除外することの意味

今回の研究で用いられたと思われるMD採点方法(リンク先は英語)によると、乳製品は野菜や果物などと違って、摂取量が平均的な水準よりも少ない場合に1点が与えられます(摂取量が水準以上の場合にも0点で、減点はされません)。

したがって、MDから乳製品を除外すると、乳製品摂取量が多い人のスコアが増えるのだと思います。 さらに言えば、乳製品以外の面でMDに近く、それでいて乳製品の摂取量は多いという食生活をしていた人で心不全のリスクが低かったということではないでしょうか。
他の食品カテゴリーでは
  • - 摂取量が最も多いグループ(*)は最も少ないグループに比べて、心不全のリスクが約2倍に増加。
  • - 摂取量が最も多いグループ(*)は最も少ないグループに比べて、約40%の心不全のリスク低下。
  • お酒 - 飲酒量が適量(†)の場合には、飲酒量が少ない場合や多い場合に比べて30%の心不全リスク低下。

(*) データ全体を5つのグループに分けた。

(†) 今回の研究での定義は不明ですが、一般的には男性は2杯/日、女性は1杯/日。
各食品カテゴリーのスコア増減

肉は乳製品と同じく、摂取量が少ないとMDスコアが1点プラスされます。 魚は野菜や果物と同じく、摂取量が多い場合にMDスコアが1点プラスされます。 お酒は、アルコール摂取量が男性では10~50g/日である場合に、そして女性では5~25g/日である場合に、スコアが1点プラスされます。

したがって乳製品以外の食品カテゴリーについては、MDに近い食生活を送ることで心不全のリスクが下がるという結果だったということになります。