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プラスチック食器の原料「メラミン」が腎臓に悪影響?

(2013年1月) メラミン樹脂製のプラスチック食器は丈夫で落としても割れないために、子供向けの食器などに使われていますが、"JAMA Internal Medicine" に発表された台湾の研究で、メラミン製の食器を使い続けることによりメラミンが体内に吸収されることが示されています。 メラミンは腎結石のリスクが増加する原因となる可能性があります。

研究の内容
今回の研究では、12人の男女にメラミン製または陶器製の器で熱い麺類を食べてもらい、12時間後に尿検査を行いました。 そして三週間後にも、今度は器の種類を逆にして同様の実験を行いました。
二度目の実験はたぶん、メラミン検出量が生活習慣などによる個人差に左右されているという可能性をつぶすために行ったのでしょう。 三週間という空白期間を設けたのは、1回目の実験で摂取されたメラミンの影響を無くすためでしょう。

尿検査の結果、メラミン製の食器で食事をしたグループからは(平均で)8.35マイクログラムのメラミンが検出されました。 一方、陶器製の食器で食事をしたグループのメラミン検出量は 1.3マイクログラムでした。(8.35と1.3というのは、一回目と二回目の平均値でしょうか)

メラミンの溶出量はメーカーによって異なりますが、今回の研究では1つのメーカーのものしか使用していません。 なので、今回の研究で別のメラミン食器のメーカーを使っていれば結果が異なっていた可能性があると研究者は述べてしています。

8.35マイクログラム低度のメラミンの溶出がヒトの健康に与える影響は未だ明らかではありませんが、過去の複数の研究で、低量のメラミンに慢性的に暴露されることで腎結石のリスクが大人でも子供でも増加することが指摘されています。

さらに、研究者によると、過去に行われた複数の動物実験でも、メラミンが腎結石だけでなく、腎臓にダメージを与えてガンの原因となることが示されています。

FDAの見解

米国食品医薬局(FDA)が2011年に作成した文書によると、酸性や高温の食品であっても食器からメラミンが溶出する恐れはほとんどなく例えば冷たいオレンジジュースを15分間入れておく程度であれば大丈夫です。 危険な例としては、メラミン樹脂製の食器に70℃の食品を2時間入れておくとか、酸性でなおかつ高温(70℃程度)の食品を入れるというのが挙げられています。

ただし、電子レンジでメラミン樹脂製の食器を加熱するとメラミンが溶出します(「電子レンジで使える」という表示のあるものは大丈夫です)。

メラミン製の食器で飲み物や食べ物を加熱するのを避けさえすれば、メラミン製の食器に熱い飲み物や食べ物を入れても大丈夫ということでしょうか。 電子レンジに限らず、湯煎(ゆせん)も避けるのが賢明でしょう。

今回の研究に関与しなかった専門家の話でも、メラミン製の食器から溶出するメラミンの量は、熱いスープや酸性の食物(高温や酸)によって増加します。 古い食器や低品質の食器は特に、メラミンの溶出に注意が必要です。

アルカリ性であれば溶出は増えない

"International Journal of Food Contamination"(2015年6月)に掲載されたオクラホマ大学の研究によると、食品がアルカリ性の場合の溶出度は中性の場合とあまり違いません。 酸性でもpHが5になる辺りから溶出度ががくんと落ちます(参考グラフ)。

この研究ではさらに、使い込めば使い込むほどメラミンの溶出が減るという結果になっています。 メラミン製の食器を買ってきてすぐの使い始める前に、高温で酸性の液体(酢を入れた熱湯など)で煮沸しておくと良いかもしれません。