メラトニンとは

メラトニン(N-acetyl-5-methoxytryptamine)は、脳に存在する松果腺においてトリプトファンというアミノ酸から作られるホルモンです。 メラトニンの生産と放出は暗い場所では増加し、明るい場所では減少します。 このことから、メラトニンはサーカディアン・クロック(睡眠/目覚めのサイクルを司る内部時計)などに関与していると考えられています。

一般的に、メラトニンの体内量は朝から昼にかけて増加してゆき、夜に寝る頃に最大となります。 そして、夜から早朝にかけて減ってゆきます。 "Applied Ergonomics" 誌(2012年)に掲載された米国の研究では、スマートフォンを2時間使用するとメラトニンの体内量が22%減少するという結果になっています。

メラトニンの生産量は年を取るにつれて減ってゆきます。 高齢者の中には、メラトニンがまったく生産されなくなる人もいます。

メラトニンの効果

メラトニンは不眠症・時差ボケ・睡眠障害など睡眠関連のトラブル解消への効果が期待されています。

睡眠関連以外にもメラトニンは、抗酸化・抗炎症・免疫力強化・抗ガン・老化防止・骨粗鬆症予防・歯周病予防・ダイエット・気分改善などの効果があるのではないかと研究が続けられていますが、今のところ明確な結果は出ていません。

食品に含まれるメラトニン

メラトニンはヒトの体内で作られるだけでなく、様々な動物・植物・微生物の体内でも作られます。 そのためメラトニンは、肉・穀物・果物・野菜などの食品にも僅かに含まれています。

メラトニンを比較的豊富に含む食品は、ブドウ(ワイン)・いちご・クランベリー・さくらんぼ・トマト・きのこ類・ナッツ類・マスタード・とうがらし・クコの実・ひまわりの種・カルダモン・フェンネル・コリアンダーなどですが、同じ食品であっても品種・個体・部位・生育環境・採取時間帯によってメラトニン含有量が大きく異なります。

メラトニンのサプリメント

メラトニンのサプリメントは医師の処方が不要な市販薬として入手が可能であり、半年間までなら比較的安全であることが複数の研究で示されています。 半年を超える期間については研究がありません。

子供に関してはメラトニンの安全な服用量がわかっていないため、家庭内の判断で子供に与えないようにしましょう。

成人のメラトニン服用量は、使用する目的や個人差に応じて0.2~20mgとなっています。 自分に合った服用量は医師に相談して決定しましょう。

参考までに、メラトニンの睡眠への効果を調べた各種研究で採用されたメラトニンの経口服用量は次のようなものです:
  • 不眠症全般:(1日あたり)0.3~10mg を服用。
  • サーカディアン・リズムに起因する睡眠障害: 就寝前の一回分あるいは1日の服用量として 0.5~5mg を1~3ヶ月間。
  • 睡眠相後退症候群(睡眠リズムの慢性的なズレ): 1日あたり 0.3~6mg(主に 5mg)を寝る前に服用。 服用期間は2週間~3ヶ月。
メラトニン補給の有効性

動物実験やヒトの試験で、メラトニンを含有する食品を食べることで摂取したメラトニンが体内で利用されて抗酸化作用を発揮することが確認されています。

メラトニンのサプリメントを服用したときに体内で利用されるメラトニンは、服用量の15%程度までだと思われます。 性別によりメラトニン・サプリメントの利用効率が異なる(女性のほうが利用効率が高い)という話もあります。

副作用と安全性

メラトニンは少量であれば長期的に服用しても安全だと考えられていますが、妊娠中・授乳中の女性や、子供、てんかん患者、ワルファリンカリウム(抗凝血薬)の服用者では、メラトニンの摂取は危険です。

メラトニンはサプリメントや健康食品として販売されていますが、医薬品に区分される成分で作用が強いため、服用の前には必ず医師や薬剤師に相談しましょう。 20才まではメラトニンは体内で高濃度に合成されるため一般的に服用の必要はないと考えられます。

メラトニンの副作用は次のようなものです:
  • 昼間の眠気
  • 体温の低下
  • 鮮明な夢
  • 朝がだるい
  • 皮膚のアレルギー
  • 血圧の変化(降圧剤を飲んでいる場合は注意が必要)
  • 血糖値の変化(低血糖の人や糖尿病の薬を飲んでいる人は注意が必要)
  • 血栓のリスクへの影響
  • 緑内障のリスク増加
  • 心拍の異常
メラトニンの副作用は服用を中止すると治まるでしょう。