メニエール病の原因が完全に明らかになったかも

"Medical Hypotheses" 誌(2013年12月)に掲載されたコロラド大学の研究でメニエール病の原因が解明された可能性があります。 偏頭痛に見られるような脳における血流の一時的な低下がメニエール病に関与しているかもしれないというのです。

メニエール病では、強烈な眩暈(めまい)や、耳鳴り、聴覚障害が数時間続くといったことを繰り返し、最終的には、症状の出ている側の耳が完全に聴こえなくなります。 これまでメニエール病の発作が起きる理由は不明でした。

研究者によると、メニエール病の発作が起きる原因は、次の①と②の組み合わせです:

  1. 内リンパ水腫による内耳の拡張
  2. 脳血管の疾患のリスク要因となる偏頭痛、睡眠時無呼吸症、喫煙、アテローム動脈硬化
内耳における体液の蓄積とメニエール病の発作との間には強い関係が認められますが、この体液の蓄積は圧力調整障害の兆候です。 圧力調整障害は、耳の内部における断続的な軽度の血流減少の原因となります。

そして、これ(耳の内部の血流減少)に、血管疾患による脳・耳への血流の低下が組み合わさると、脳に起きる一過性虚血発作(一時的な脳卒中)に見られるのと同様の血流の途絶が内耳の感覚組織に発生します。

内リンパ水腫があっても血管疾患の無い若い人でメニエール病の発作が起こらないのは、(血流に)変動があっても(血管疾患が無いので)血流が途絶えることが無いためです。 血管疾患のある人では、(血流の)変動によって耳の血流が途絶えてしまうために、耳に栄養が届かなくなります。 その結果、音や動きを感知する耳の組織が脳に信号を送らなくなるので、眩暈や、耳鳴り、聴覚障害が生じます。

さらに、血流が再開しても症状はすぐには治まりません。 (メニエール病の発作によって)耳の組織の興奮しやすい箇所に虚血再灌流経路(ischemia-reperfusion pathway)と呼ばれる後遺症が引き起こされるために、耳の機能が失われた状態が続きます。 その結果、数時間にわたって眩暈や聴覚障害が残るのです。

メニエール病の発作が治まると(耳の)組織の大部分は回復します。 しかし、損傷が残る部分も少しはあるので、発作を繰り返すうちにやがて、耳の聴覚機能とバランス機能が失われてしまいます。

研究者は次のように述べています:

「我々の仮説が確認されれば、血管のリスク要因を治療することで症状を抑制し、副作用もある外科手術が必要となるケースを減らせると考えられます。 そして、このようにしてメニエール病の発作を抑制できれば、重度の聴覚障害を免れるケースも出てくることでしょう」