閉経後の女性は、運動で乳ガンのリスクが減少

"Cancer Epidemiology, Biomarkers & Prevention" 誌に掲載された研究によると、閉経後の女性が日常的にしっかりと運動をすることで、乳ガンのリスクを減らせると考えられます。

この研究で閉経後の女性のデータを分析したところ、激しい運動を毎日1時間している人では25%、週に7時間以上のウォーキングをしている人では14%、乳ガンの発症リスクがそれぞれ減少していたのです。

ただし、「25%の減少」と「14%の減少」とでは、比較対照が異なります:

  • 乳ガンのリスクが25%減少する「激しい運動を毎日1時間以上する人」というのは、今回の研究データで最も運動量が多いグループに属する人たちのことで、誰と比べてリスクが25%減少するかというと、運動量が最も少ない(週に2時間の中程度のペースでのウォーキングすらやっていない)グループと比べてです。

  • 一方、週に7時間以上のウォーキングをしている人で乳ガンのリスクが14%減少するという話の比較対象は、(一週間あたりの)ウォーキングの時間が3時間以下のグループです。
今回示された運動による乳ガンのリスク低減効果は、BMI やホルモンの状態(更年期障害の治療でホルモン剤を用いているか否か、およびエストロゲン受容体の状態)に左右されません。

また、今回の研究では、座って過ごす時間が長いことによる乳ガン発症リスクの増加は見られませんでした。 (これだけだと何のことかわからないかもしれませんが、座っている時間が短いほど健康に良いという研究が、けっこう頻繁になされています。 参考記事: 1日のうち座って過ごす時間は4時間未満が健康によい座っている時間が長いだけで体に悪い(運動している人でも)

研究者は、日常的な運動の量を増やすことを推奨しています:

「現在の(米国の)運動ガイドラインでは、中強度の運動であれば毎週2.5時間、激しい有酸素運動であれば毎週75分(毎日10分超)を行うのが健康全般にとって有益であるとされていますが、 (今回の結果を見ると)運動ガイドラインで推奨されている以上に運動するのが、乳ガンの予防に有効であると考えられます」


この研究ではまず、50~74才の女性 73,615人を対象にアンケートを実施し、その後も1997~2009年まで2年ごとにアンケートを実施して情報を更新しました。 アンケートでは、病歴のほか、運動時間や、読書やテレビなどで座って過ごす時間について尋ねました。 73,615人の参加者のうち研究期間中に乳ガンを発症したのは 4,760人でした。