性格により異なる中高年女性の転倒リスク

(2016年8月) "Journal of Bone and Mineral Research" に掲載されたピッツバーグ大学などの研究で、楽天的な性格の女性は転倒するリスクが低い一方で、シニカルに敵対的な性格の女性は転倒するリスクが高いという結果になりました。 転倒は高齢者が骨折する原因となります。
シニカルに敵対的な性格とは
シニカルに敵対的な性格(cynical hostility)の人は、疑い深くて他人の善意を信用しません。 そして容易に立腹しますが、怒りを表に出さない傾向があります。 「敵対的」とは、何に対してというわけでもなく怒りと憎しみを慢性的に抱いている状態のことです。
研究の方法

50~79才の閉経後の女性8万7千人ほどを対象に性格を調べるアンケートを実施したのち、7.6年間にわたり転倒の発生状況を追跡調査しました。 骨折の発生状況は11.4年間にわたり追跡調査しました。

データの分析

性格の楽天性と敵対性の程度に応じてデータを4つのグループに分け、楽天性と敵対性が最も低いグループを基準として転倒と骨折のリスクを割り出しました。

結果
転倒

楽天性が最も強いグループでは、1年あたり2回以上転倒するリスクが11%低くなっていました。 また、敵対性が最も強いグループでは、1年あたり2回以上転倒するリスクが12%高くなっていました。

性格が転倒リスクに及ぼす影響は、5才分ほどの年齢の違いに相当します(楽天的だと5才若い人と同程度の転倒リスクで、敵対的だとその逆)。

骨折

楽天性が最も強いグループでは骨折のリスクが10%低くなっていましたが、骨折リスクに影響する様々な要因を考慮して分析すると、統計学上の有意性が失われました。

敵対性が最も強いグループでは骨折のリスクが増えており、骨折リスクに影響する様々な要因を考慮した後の数字でも5%のリスク増加でした。 骨折部位と敵対性とのあいだに関係は見られませんでした。

解説
性格の違いは、振る舞い・生活習慣・炎症などを介して転倒や骨折のリスクに影響するのかもしれません。