閉経後の女性でも運動により肺ガンの発症・死亡リスクが低下

(2016年8月) これまでの複数の研究で、運動習慣に肺ガンの発症と死亡リスクを下げる効果のあることが示されていますが、"International Journal of Cancer" に掲載されたスタンフォード大学などの研究において、閉経後の女性の場合にも運動習慣があると肺ガンの発症リスクと死亡リスクが低いという結果になりました。

研究の方法

すでに閉経している50~79才の米国人女性13万人近くの運動量を調べたのち、平均11.8年間にわたって肺ガンの発症および肺ガンによる死亡の発生状況を追跡調査しました。

女性たちのデータは、1週間あたりの運動量に応じて次の4つのグループに分けられました:
  1. 運動量が100MET分未満のグループ。
  2. 運動量が100MET分~500MET分未満のグループ。
  3. 運動量が500MET分~ 1,200 MET分未満のグループ。
  4. 運動量が 1,200 MET分以上のグループ。
「MET分」とは

「MET」とは「Metabolic Equivalent of Task(身体活動による消費エネルギー)」のことで、「MET分」とは「MET」を分単位に換算(×60)したものです。

100MET分/週の運動量というのは、例えば毎日5~6分程度ゆっくり歩くだけの運動しかしない場合に相当します。 1,200 MET分/週の運動というのは、例えばジョギングを毎日25分間ほど行うのに相当します。
結果

追跡期間中における肺ガンの発症件数は 2,150件ほど、肺ガンによる死亡件数は 1,360件ほどでした。

発症リスク
ほとんど運動をしない1のグループに比べて、2~4のグループでは肺ガンになるリスクが次のように下がっていました:
  • 2のグループは -14%
  • 3のグループは -18%
  • 4のグループは -10%(ただし、95% CI が 0.79-1.03

BMIが30未満の場合に、運動量が多いと肺ガン発症リスクが低いという関係が顕著でした。

死亡リスク
ほとんど運動をしない1のグループに比べて、2~4のグループでは肺ガンにより死亡するリスクが次のように下がっていました:
  • 2のグループは -20%
  • 3のグループは -32%
  • 4のグループは -22%
結論
閉経後の女性の場合にも、肺ガンの予防と肺ガンになった後の生存率の向上に運動習慣が有益であるという結果になりました。