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更年期により骨密度が低下する理由。 プロバイオティクスが有効?

(2016年4月) "Journal of Clinical Investigation" に掲載されたエモリー大学などの研究によると、更年期による骨密度の低下には腸内細菌が関わっていて、乳酸菌などのプロバイオティクスが閉経により弱る骨を強くするのに有効かもしれません。出典: Probiotics Stop Menopause-Like Bone Loss in Mice

研究の方法

卵巣を切除して閉経状態へと導いたマウスをいくつかのグループに分けて、乳酸菌の一種であるラクトバチルス・ラムノサス菌(Lactobacillus rhamnosus)や8種類の菌株を含有するVSL#3というプロバイオティクス製品を1ヶ月間にわたり週に2回投与しました。

結果

プロバイオティクスを投与されなかったグループやプロバイオティクスとしての作用を持たない大腸菌を投与されたグループでは卵巣の切除により骨密度が半分に低下しました。

これに対して、ラクトバチルス・ラムノサス菌やVSL#3を投与されたグループでは骨密度が維持されていました。

また、卵巣を切除されていないグループにプロバイオティクスを与えたところ、骨密度が増加しました。

腸内細菌と骨密度の関係
無菌状態で飼育され腸内に細菌が存在しないマウスでは、リュープロリドという薬物を用いて(*)卵巣が生産するホルモンの量を減らしても骨密度は低下しませんでした。
(*) 無菌状態で飼育しているため外科的な方法で卵巣を切除できない。

メカニズム

今回の研究ではマウス実験により次のようなプロセスも明らかになっています:

「閉経によるエストロゲン(*)欠乏によって腸管透過性(†)が増大する → 腸内細菌の生産物によって腸の免疫細胞が活性化する → 免疫細胞が出すシグナルによって骨が分解される」
(*) 女性ホルモン

(†) 腸壁が栄養分など必要なものだけでなく有害な細菌までも通過させてしまうこと。 ラクトバチルス・ラムノサス菌には腸管透過性を軽減する作用があります。
プロバイオティクスには腸管透過性の増大を防ぐ効果と、免疫細胞が骨分解のシグナルを出すのを抑制する効果があります。