メントールによって肺がニコチンの刺激に鈍感になる

(2014年11月) メントール入りのタバコというものがありますが、"Neuroscience 2014" で発表予定のジョージタウン大学医療センターの研究によると、メントールはニコチンとの組み合わせにより肺気道に存在してニコチンによる刺激を感知している受容体を鈍感にする作用があります。

研究グループは、メントールが咳や喉の痛みを和らげるための喉飴に使われていることに着目して、メントールによってニコチンによる刺激も和らいでいるのかどうかを調べました。 その結果、メントールが単なる香料ではなく薬理作用を持つ物質であることが裏付けられました。

メントール入りのタバコは普通のタバコよりも危険」によると、メントール入りのタバコは喫煙習慣を開始するきっかけとなり易い上に、依存性も通常のタバコより強く、喫煙人口が減っている中でメントール入りのタバコだけは売り上げが伸びています。

研究者は次のように述べています:
「メントールがニコチンと同時に存在すると、(ニコチンの)刺激が緩和されるために喫煙者がタバコの煙を肺の奥深くまで吸い込むことになります。 それによってニコチンだけでなく煙に含まれる他の有毒物質も肺の隅々にまで届くのです。

今回の研究では調べていませんが、そのように煙を肺の奥深くまで吸い込むことよって喫煙の害がひどくなる可能性があります」
メントールで鈍感になる受容体は「α3β4受容体」と呼ばれるもので、末端神経系に発現するニコチン性アセチルコリン受容体の中でも最もよく見られる受容体です。 α3β4受容体は気道の感覚神経以外の神経細胞にも発現します。
「α3β4受容体は脳にも存在しますが、メントールが脳のα3β4受容体にどのように影響するのか、あるいはメントールが(脳のα3β4受容体に影響することによって)ニコチン依存症に関与しているのかどうかは不明です」