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魚に含まれる水銀の有害性を魚に含まれるオメガ3脂肪酸が相殺?

(2015年1月) 魚には水銀が含まれているため、食べる魚の種類や部位によっては水銀の健康への悪影響が懸念されます参考記事: 水銀を摂らずにω-3脂肪酸を摂るには小魚が良いが、 "American Journal of Clinical Nutrition" に掲載された北アイルランド大学などの研究によると、水銀が胎児の脳に及ぼす毒性を魚に含まれるオメガ3脂肪酸が相殺している可能性があります。

研究の方法

今回の研究はセイシェル共和国(人口は8万9千人)に住む母子 1,500組超を対象に行われました。 セイシェルはインド洋に浮かぶ群島で、魚の消費量が欧米の10倍です。

母親たちの妊娠中に髪の毛のサンプルを採取して水銀の体内量を測定し、子供たちが生後20ヶ月になった時点で子供のコミュニケーション能力・振る舞い・運動技能を計測するテストを実施しました。

結果

データを分析したところ、母親の水銀体内量と子供の各種テストの結果とのあいだに関係は見られませんでした(母親の水銀体内量が多いと子供のテスト結果が悪いというわけではなかった)。 この結果は、同じ研究チームによるこれまでの研究結果と合致します。

今回の研究では、母親の妊娠中に不飽和脂肪酸(オメガ3脂肪酸やオメガ6脂肪酸)の体内量も測定していましたが、オメガ3脂肪酸の体内量が多かった母親から生まれた子供は、一部のテストの結果が優れていました。

逆に、オメガ6脂肪酸(リノール酸。 コーン油、大豆油、綿実油、ひまわり油などに多く含まれている)の体内量が比較的多かった母親から生まれた子供は、運動技能のテストの成績が比較的良くありませんでした。

解説

DHAなどのオメガ3脂肪酸は、胎児や乳児の脳の発達にとって重要であると考えられています。 また、水銀が人体に及ぼす害の中には酸化と炎症によるものも存在しますが、オメガ3脂肪酸の抗炎症作用によって、この害が緩和されるのではないかと研究チームは推測しています。

一方、オメガ6脂肪酸は炎症を促進する可能性が指摘されています。