メタボが結腸ガンに与える影響

(2012年12月) "CANCER" 誌に掲載されたテンプル大学(米国)などの研究により、メタボリック・シンドローム(以下「メタボ」)に含まれる種々の疾患(糖尿病や高血圧など)ごとに結腸ガンへの影響が異なることが明らかになりました。

研究の方法

2つの医療データベースから得た結腸ガン患者 3,6079人のデータを用いて、メタボおよびメタボに含まれる糖尿病高血圧などが結腸ガンの再発率および結腸ガンによる死亡率に与える影響を分析しました。 データ全体の19.5%にあたる 7,024人がメタボでした。

結果

メタボ全体としては結腸ガンへの有意な影響は見られませんでしたが、メタボを構成する各疾患が結腸ガンに個別的に与える影響は認められました。

初期の結腸ガンの患者において、糖尿病や高血圧の有無で次のような違いがありました:
  • 5年後の生存率が、糖尿病の無い患者では47.7%だったのに対して、糖尿病のある患者では41.3%だった。
  • 5年以内の再発率が、糖尿病または高血圧のある患者では8%ほど増加していた。
糖尿病や高血圧は上記のように結腸ガンに悪影響を与えるという結果になりましたが、その一方で、結腸ガン患者のコレステロール値(メタボの指標の1つ)が異常に高い場合には、再発率と死亡率が上がるどころか下がるという結果になりました。 具体的には次の通り:
  • 5年後の生存率が、コレステロール値が普通の患者では39%だったのに対して、コレステロール値が異常に高い患者では52.7%だった。
  • 5年以内の再発率が、コレステロール値が異常に高い患者は、そうでない患者より11%も低かった。
解説
研究グループはコレステロール値が異常に高い患者で結腸ガンのリスクが下がっている理由を、スタチン(コレステロール低下薬。結腸ガン予防の効果もある)の保護効果によるものではないかと考えています。 ただし、今回の研究で対象になった患者がスタチンを使っていたかどうかは不明です。