「メタフラメーション」という言葉を知っていましたか?

(2019年5月) ポリフェノール類と非伝染性の慢性疾患についてポーランド人研究者がまとめ "Nutrients" 誌に発表したレビューで「メタフラメーション」という言葉の意味が説明されています。 初めて見かけた言葉なので記事にしておきます。 レビューの内容自体は記事にしません。 論文要旨が内容の要約型ではなく紹介型だからです(*)
(*) 要約型は論文要旨を訳すだけで事足りますが、紹介型は本文全部に目を通して自分で要約せねばならず30円しか稼げない記事を書くのに何時間もかかります。 「最新健康ニュース」の記事を書くのにかかる一般的な時間は15分~1時間。

「メタフラメーション」とは

「メタフラメーション」とは、病原体に起因しない慢性疾患に共通する「新しい」タイプの炎症のことです。 1990年代初頭より、この新しいタイプの炎症を指して「メタフラメーション」という言葉が使われるようになっています。 そして、この新しいタイプの炎症とは軽度の慢性的な全身性の炎症のことです。(*)
(*) 「軽度の慢性的な全身性の炎症」というフレーズはこれまでに幾度となく目にしてきましたが、「メタフラメーション」という言葉はこれまで見たことがありませんでした。 このレビューの著者によると「メタフラメーション」という語はとても頻繁に使われているそうですが、実はあまり普及していないのではないでしょうか?

「メタフラメーション」は元来は肥満に関連してのみ用いられていましたが、近年の研究により「メタフラメーション」が肥満以外の生活習慣病その他の疾患(心臓病・2型糖尿病・各種のガン・骨粗鬆症・抑鬱・認知症など)にも関与していることが明らかになってきました。

メタフラメーションは細胞の酸化ストレス・アテローム硬化のプロセス・インスリン抵抗性などの代謝カスケード(metabolic cascade)の一部であると考えられています。

メタフラメーションを引き起こす要因の大部分は産業革命以降に発生したもので、(「アレルゲン」みたいな感じで)「アンスロポゲン(anthropogen)」と名付けられています。

アンスロポゲンとは

"In Search of a Germ Theory Equivalent for Chronic Disease" と題された 2012年の文献によると「アンスロポゲン」とは、「近代の人工的な環境や生活習慣が関わる誘導要因」のことだそうです。 汚染物質とか座りがちな生活とかエネルギー密度の高い食事とか食品添加物などのことでしょう。(「アンスロポ(anthropo-)」に「ヒト」とか「人類」という意味があります)

「メタフラメーション」の語源

検索で調べたところ、メタフラメーション」は "metabolic(代謝の)" の "meta-" と "inflammation" と組み合わせた言葉であるようです。 「炎症」のことを英語で "inflammation(インフラメーション)" と言います。

今回のレビューの内容は果たしてどういうものだったのか?

今回のレビューの内容に一切触れないのもアレなので少し触れておきますと今回のレビューの内容は、世界が産業化により近代化されて以降に生じた慢性疾患の予防におけるポリフェノール類の役割という感じです。

レビューの「結論」には「ポリフェノール類は多くの病気の予防に重要となり得るけれど、ポリフェノール類の有益性を示す研究が生体外実験や動物実験ばかりなのでヒトでどうなのかを調べる研究が必要だ」という感じのことが書かれています。