メトホルミンを飲んでいる糖尿病患者は非糖尿病患者よりも長生き

(2014年8月) "Diabetes, Obesity and Metabolism" 誌に掲載されたカーディフ大学(英国)の研究によると、2型糖尿病患者であっても、メトホルミンを飲んでいる人は糖尿病でない人よりも長生きです。

研究の方法

18万人超の男女のデータを分析しました。 このうちメトホルミンを第一選択治療として処方されている(2型)糖尿病患者は 78,241人で、スルホニルウレアを第一選択治療として処方されている患者は 12,222人でした。

残りの9万人ほどは糖尿病ではない人たちのグループで、このグループは年齢、性別、糖尿病以外の健康面(general practice)、喫煙習慣、臨床状態(臨床場面において医学的手順や判断を用いて評価される患者の健康状態)において糖尿病患者のグループと同じになるように調整されました。
メトホルミンとスルホニルウレア

欧米で2型糖尿病の第一選択治療薬として推奨されているのはメトホルミンで、スルホニルウレア(スルホニル尿素)は一般的に、メトホルミンが適していない患者にのみ処方されます。

スルホニルウレアは、体重増加や、低血糖、心臓発作後の回復不良などの原因となることがあります。 これとは対照的に、メトホルミンは心臓の健康向上やガン予防などの効果が期待できます。
結果

メトホルミンを服用しているグループとスルホニルウレアを服用しているグループの生存率を比較し、さらに、この2つのグループと糖尿病ではない人のグループとで寿命を比較したところ、メトホルミンを服用しているグループは、非糖尿病者のグループよりも僅かに、しかし統計的に有意に、生存率が高く(寿命が長く)なっていました。 一方、スルホニルウレアを服用しているグループは、非糖尿病者のグループよりも生存率が低くなっていました。

さらにメトホルミンは、糖尿病でない人や1型糖尿病患者にも有益な効果をもたらしていました。 (2型糖尿病患者ではない9万人のグループのうちに、メトホルミンを服用していた人や1型糖尿病患者が含まれていたということでしょうか) 抗ガン作用や抗心臓疾患作用が見られたほか、糖尿病前症人が糖尿病になるリスクが30%ほど低下していたのです。

留意点
しかしながら研究者によると、メトホルミンを服用している2型糖尿病患者にも無論、問題が無いわけではありません:
「糖尿病は進行する可能性が高く、そうなると治療を強化する必要があります。 糖尿病患者では寿命が平均で8年短くなります。 糖尿病にそもそもならないためには、運動習慣を身に付け、適切な体重を維持することです」
「糖尿病患者で寿命が8年短くなる」というのが「メトホルミンを服用している患者では非糖尿病患者よりも寿命が長くなる」というのに矛盾するように思えますが、メトホルミンを服用していない患者も含めたトータルでは寿命が8年も短くなるということでしょうか? あるいは今回の研究では糖尿病でないグループも、糖尿病以外の病気で寿命が短くなっていたのでしょうか?