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中年期における社会経済的状態と脳との関係

(2018年5月) "Proceedings of the National Academy of Sciences" に掲載されたテキサス大学ダラス校の研究で、中年者の社会経済的状態(収入・職業・学歴など)と脳の活動・形状とのあいだに関係が見られることが明らかになりました。出典: Study Suggests Ties Between Socioeconomic Status and Adult Brain

研究の方法

20~89才の男女304人を対象に、社会経済的状態(SES)について尋ねたり、脳を検査して脳機能ネットワーク(FBN(*)や大脳皮質の厚み(†)を調べたりしました。

(*) 電子情報通信学会のサイトによると「思考・認知・運動などに関連した脳活動において脳領域間のつながりを可視化したもの」だそうです。

(†) 大脳皮質が薄いと年を取ってから認知症になったり物忘れが生じたりしやすい。

結果

中年者

35~64才の中年者では、「SESが高い人はFBNが効率的で大脳皮質も厚い」という関係が見られました。 心身の健康状態・認知機能・子供時代のSESなどを考慮して分析しても、この関係は消滅しませんでした。

子供時代のSESにかかわらず中年期におけるSESと大脳皮質の厚みやFNBの効率性との間に関係が見られたことから、大人になってからのSESも中年期の脳に影響を及ぼすのだと考えられます。

高齢者

高齢者は中年者に比べて、SESと脳との関係が弱まっていました。 加齢が脳に及ぼす影響のためにSESが脳に及ぼす影響が不明瞭になるのかもしれません。

解説

SESが異なると食生活などの生活習慣のほか医療機関の可用性や精神的ストレスの程度などが異なりますが、こうした要因のうちいずれがSESと脳との関係に影響しているのかは不明です。