偏頭痛の患者は脳神経に欠損がある

(2014年11月) "Plastic and Reconstructive Surgery" 誌に掲載された Case Western Reserve University(米国)の研究により、偏頭痛の患者で脳の神経細胞に異常が生じていることが明らかになりました。

異常が生じているのは、神経細胞の神経線維を覆って保護している「ミエリン鞘」と呼ばれる脂肪性の物質です。 この発見は、整形外科手術が偏頭痛の痛みを低減するのに有効である理由の一端となります。

この研究では、偏頭痛の手術を受けた患者15人から採取した三叉神経(脳神経の一種)のサンプルと、額リフトという美容外科手術を受けた患者15人から採取したサンプルとを比較調査しました。 比較調査では、電子顕微鏡を用いて神経細胞の構造を調べ、プロテオーム解析を用いてタンパク質の有無および機能を分析しました。

その結果、偏頭痛患者の三叉神経ではミエリン鞘に欠陥や消失が見られました。 ミエリン鞘は、電気コードを覆って絶縁・保護の役割を果たしている被膜用のビニールのようなもので、ヒビ割れが入ったり、損傷を受けたりすると、ミエリン鞘の中身にあたる神経が周囲の動的な構造(筋肉や血管など)の影響を受けやすくなります。 したがって、このミエリン鞘の異常が偏頭痛発作を引き起こしている可能性があります。

偏頭痛のグループと額リフトのグループでは、神経線維の細胞要素の構成にも違いがありました。 額リフトの(脳神経が健康な)グループでは、細胞要素が神経全体に均一に配置されて神経の構成がきっちりとしていましたが、偏頭痛のグループでは神経の構成が途切れていて「つぎはぎ」だらけだったのです。