偏頭痛がある人は老後にパーキンソン病になるリスクが増加

(2014年9月) "Neurology" 誌オンライン版に掲載された Uniformed Services University(米国)の研究によると、中年のときに偏頭痛がある人は年を取ってからパーキンソン病など体の動きに障害が起こる病気を発症するリスクが増加する可能性があります。

研究の方法

33~65才までの男女 5,620人を対象に25年間にわたって追跡調査を行い、パーキンソン病の症状が無いかどうか、パーキンソン病と診断されていないかどうか、およびレストレス・レッグス症候群(むずむず脚症候群)の症状が無いかどうかを尋ねました。

研究開始の時点で偏頭痛ではない頭痛があったのは 1,028人、偏頭痛があったのは238人、前兆(*)を伴うタイプの偏頭痛があったのは430人でした。
(*) 前兆とは、目がチカチカするとか、波打つ線が見えるなどの閃輝性暗点の症状の他、知覚麻痺、刺すような痛み、嗅覚の異常などのことで、「オーラ」とも呼ばれます。
結果
主な結果は次のようなものでした:
  • 前兆タイプの偏頭痛があるグループはパーキンソン病と診断されるリスクが、頭痛が無いグループの2倍超だった(1.1%に対して2.4%)。
  • パーキンソン病の6つの症状のうち4つ以上が生じるリスクが、(頭痛が無いグループに比べて)前兆タイプの偏頭痛があるグループでは3.6倍、非前兆タイプの偏頭痛があるグループでは2.3倍だった。 グループ内での比率で言うと、頭痛が無いグループではパーキンソン病の症状が4つ以上生じたのが7.5%だったのに対して、前兆タイプの偏頭痛のグループでは19.7%、非前兆タイプの偏頭痛のグループでは12.6%だった。
  • 前兆タイプの偏頭痛のあるグループのうち女性に限ると、頭痛の無いグループよりもパーキンソン病の家族歴がある人が多かった。
コメント
研究者は次のように述べています:

「パーキンソン病やレストレス・レッグス症候群の患者では、脳内伝達物質であるドーパミンに異常が見られますが、ドーパミンは以前から偏頭痛への関与も疑われています。 偏頭痛の症状のうち過度の欠伸(あくび)や、吐き気、嘔吐などにはドーパミン受容体の刺激がかかわっていると考えられているのです」

「ただ、偏頭痛の病歴によりパーキンソン病のリスクが増加するにしても、パーキンソン病になるリスク(絶対リスク)自体は低いです(なので、さほど心配する必要はありません)」