軽度の脳震盪では数日間を超える安静が逆効果になることも

(2015年1月) "Pediatrics" 誌に掲載された Medical College of Wisconsin(米国)の研究によると、軽度の脳震盪を起こした若者は長期間(5日間)にわたる安静が必要で無いばかりか、それが回復の妨げとなる可能性さえあります。
脳震盪
脳震盪とは脳損傷の一種で、脳の正常な機能が短期的に失われます。 一般的には、スポーツにおける接触や転倒などで頭部に衝撃を受けるために起こります。
研究の方法

11~22才の脳震盪患者88人を2つのグループに分けて、一方のグループには1~2日だけ安静にしたのち徐々に普段の生活に戻ってもらい、もう一方のグループには5日間のあいだずっと安静にしていてもらいました。 この研究において「安静にする」とは、学校や仕事に行かず、運動もしないということです。

既存のガイドラインでは、脳震盪になったのちは1~2日間だけ安静にすることが推奨されています。

結果

バランス機能や認知機能に関して、両グループの間に有意な違いは見られませんでした。 しかしながら、5日間を安静にしたグループの方が脳震盪の症状が長引きました。

5日間を安静にするようにと指示したグループでは、脳震盪後2~3日間における身体的症状(*)および脳震盪後10日間における感情面での症状(†)が増加していました。
(*) 頭痛、吐き気、バランス感覚の喪失、めまい、視覚障害など
(†) イライラ、悲しみ、ささくれだった感情など
コメント
研究者は次のように述べています:
「今回の結果から、患者ごとに安静期間を設定する既存の方針が適切であることが示唆されます。脳震盪後に無条件で過度の安静状態を課すことには慎重であるべきです」
神経心理学を専門とし Children’s National Health System に勤務する Gerard A. Gioia 医学博士は次のように述べています:
「脳震盪を起こしてから数日間は普段よりも活動を制限する必要があるでしょうけれど、大部分の子供は数日後から徐々に学校・遊び・運動など普段の活動を再開できます。 ただし、脳震盪の症状が悪化するような活動や、身体の接触を伴う運動は避けなくてはなりません」