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中性脂肪値が少し高いだけで、心筋梗塞だけでなく急性膵炎のリスクも増加

(2016年11月) "JAMA Internal Medicine" に掲載されたコペンハーゲン大学の研究によると、中性脂肪(トリグリセライド)値が少し高いだけで、心筋梗塞だけでなく急性膵炎になるリスクも増加します。

膵炎とは

膵炎は非常な痛みを伴う病気で、致命的となることもあります。 膵炎は一般的に、膵臓の細胞が放出する消化酵素によって膵臓それ自体や周囲の組織が破壊されるのが原因です。 これまで膵炎のリスク要因として認識されてきたのは、①胆石、②大量の飲酒、③10mmol/L以上という非常に高レベルの中性脂肪値です。

研究の方法

47~66才(平均年齢57才)のデンマーク人男女 116,550人の中性脂肪値(非空腹時)を検査したのち、中央値で6.7年間にわたり急性膵炎の発症状況を追跡調査して、中性脂肪値と急性膵炎および心筋梗塞の発症リスクとの関係を分析しました。 中性脂肪値の検査は、追跡期間中にも3回行いました。

データの分析においては、急性膵炎や心筋梗塞のリスクに影響する様々な要因を考慮しました。

結果
軽~中等度の高中性脂肪血症(高トリグリセリド血症)であっても、急性膵炎と心筋梗塞のリスクが増加していました。

中性脂肪値(mmol/L) 急性膵炎リスク 心筋梗塞リスク
1未満 基準 基準
1~1.99 1.6倍(4.3件/1万人年 1.6倍(41件/1万人年)
2~2.99 2.3倍 2.2倍
3~3.99 2.9倍 3.2倍
4~4.99 3.9倍 2.8倍
5以上 8.7倍(12件/1万人年) 3.4倍(78件/1万人年)

「人年」は「人数×年数」で計算します。 「~倍」というのが相対リスクを表す数字なのに対して、「人年」は絶対リスクを表します。 相対リスクの数字は急性膵炎のほうが派手ですが、実際の発生件数は心筋梗塞のほうが多いことがわかります。
研究チームの計算によると、中性脂肪値が1mmol/L増えるごとに急性膵炎になるリスクが17%増加します。