(2015年8月) 認知能力の衰えは自然な老化の一部として生じますが、"Alzheimer's & Dementia" 誌に掲載されたラッシュ大学(米国)の研究によると、食事内容によってはこの認知能力の衰えにブレーキをかけることが出来るかもしれません。(出典: Eating Away at Cognitive Decline)
米国人の高齢者(平均年齢81.4才)960人を4.7年間にわたり追跡調査したところ、普段の食事内容がMIND(下記参照)と呼ばれる食事療法のものに最も近い人では、MINDからかけ離れた食事をしている人に比べて認知能力(記憶力や知覚速度など)が7.5年分ほど若かったのです。
MINDとは
MINDとは今回の研究チームの1人が考案した食事療法です。 「MIND」は "Mediterranean-DASH Diet Intervention for Neurodegenerative Delay(神経変性を遅らせるための地中海食&DASHによる介入)" の略で、その名が示す通りメディテラネアン・ダイエットとDASHから認知機能の維持に有益であると考えられる食品と栄養素が盛り込まれています。
地中海食とはメディテラネアン・ダイエット(地中海地方で食べられている食事)のことで、DASH(Dietary Approaches to Stop Hypertension)とは高血圧を防止するための食事のことです。MINDの内容
MINDは脳の健康に良い10種類の食品と、健康に悪いので控えるべき5種類の食品から構成されています。
MINDで推奨されない食品
- 赤身肉
- バター、マーガリン(1日あたり小さじ1杯まで)
- チーズ(週に1回まで)
- 焼き菓子・デザート類(週に1回まで)
- 揚げ物、ファーストフード(週に1回まで)
MINDで推奨される食事
MINDの特徴はベリー類
MINDでは、果物の中でベリー類のみを摂取が推奨される食品として指定しています。 研究者によると、ベリー類の中でもブルーベリーは脳の健康を維持するうえで非常に優秀な食品の1つです。 苺も複数の研究で認知機能にとって有益であることが示されています。