ミネラル摂取量が不足している人は慢性腎疾患であることが多い

(2018年5月) "International Journal of Environmental Research and Public Health" に掲載された韓国の研究で、ミネラル摂取量が不足している人は慢性腎疾患(C KD)であることが多いという結果となりました。

研究の方法

40~69才の男女16万人弱を対象に、食生活に関するアンケート調査や腎機能の検査(eGFR値)などを実施しました。

そして亜鉛・カルシウム・ナトリウム・カリウム・鉄・リンの摂取量に応じてデータを4つのグループに分けて、グループ間でCKDのリスクを比較しました。

4つのグループのいずれかは摂取量が適切な(*)グループで、この摂取量が適切なグループ(†)を基準としてCKDのリスクを比較しました。

(*) 推奨摂取量などに該当する。

(†) ミネラルの種類により「摂取量が適切」なグループが異なり、リン・鉄・ナトリウでは下から2番めのグループ、カルシウムとカリウムでは摂取量が最大のグループ、そして亜鉛では摂取量が上から2番めのグループ。

結果

ミネラル摂取量が適切とされる量(RDAなど)であるグループに比べて、摂取量が最低のグループでは進行した(ステージ3B以降の)CKDのリスク(オッズ比)が次のように高くなっていました(カッコ内は摂取量が最低のグループの摂取量):
  • リン(664.7mg/日以下): +64%
  • カリウム(1,567.5mg/日以下): +87%
  • 鉄(6.93mg/日以下): +53%
  • 亜鉛(5.86mg/日以下): +52%

リン・鉄・カリウム・亜鉛のいずれに関しても、摂取量が最低のグループ以外では、摂取量とCKDリスクとのあいだに関係が見られませんでした。

カルシウムの摂取量とCKDリスクとの間には関係が見られませんでした。

ナトリウムは、摂取量が最大のグループでCKDリスクが26%低かったのですが、この結果に関しては統計学的な有意性が微妙(95% CI: 0.54–1.00)でした。

初期(ステージ2~3A)のCKDについては、今回調査対象となった全てのミネラルの摂取量とリスクとの間に関係が見られませんでした。

留意点

この研究はクロス・セクショナル研究なので 「ミネラル摂取量が少ないとCKDになりやすい」 のではなく 「CKDのためにリンなどのミネラル類の摂取を制限している」 のだという可能性が考えられますが、研究チームによると、それだけでは今回の結果は完全には説明できず、ミネラル不足でCKDのリスクが増加する可能性も残されています。

いずれにせよ研究チームは「前向きコホート研究を今後行って今回の結果を確認する必要がある」と述べています。