ミニマリスト・シューズで走ると足の筋肉が増える

(2016年9月) 香港理工大学とハーバード大学が共同で行った研究によると、ミニマリスト・シューズで走ると足の筋肉量が増加します。

ミニマリスト・シューズとは?
Runner's Worldというサイト(英文)によると、ミニマリスト・シューズかどうかを判断するためのポイントは次の5つです:
  1. 重量: ミニマリスト・シューズとして理想的なのは125g未満。
  2. 靴底の厚み: 踵(かかと)の中央部の靴底の厚みが8mm未満であるのがミニマリスト・シューズとして理想的。
  3. 傾斜: 踵と爪先(つまさき)との厚みの落差が1mm未満であるのが理想的。
  4. 機能性: 衝撃を吸収するなどのシューズの余分な機能が一切付いていないのが理想的。
  5. 柔軟性: シューズを(踵と爪先がくっつくように)どれだけ折り曲げられるか、そしてシューズをどれだけ雑巾絞り状態にできるか。 柔軟性が高いほどミニマリスト・シューズとして高評価。
ミニマリスト・シューズとしての優秀さは、上記の5つのポイントの各々について5点満点で評価されます。 点数が5点となる場合を、上記で「理想的」と表現しました。
研究の方法

平均年齢35才の男女38人(女性17人)を2つのグループに分けて、一方のグループ(20人)にはミニマリスト・ランニング・シューズで、そしてもう一方のグループには普通のランニング・シューズで半年間にわたってランニングのトレーニングを行ってもらい、その前後にMRIスキャンを用いて足の筋肉の量を測定しました。

被験者のランニング歴は平均6年間で、それまで使用していたランニング・シューズは普通のもの(踵から爪先にかけての落差が5mm超で、クッションなどが使用されていた)でした。

試験で使われたミニマリスト・シューズ
試験に用いられたミニマリスト・シューズは、次のようなものでした:
  • 伸縮性のある繊維で作られている。
  • 爪先が(水虫対策用の靴下のように)5本の指に別れている。
  • 踵から爪先までの落差がゼロ
  • インナーソール(中底)にクッションや土踏まず用の出っ張りが備わっていない。
  • アウターソール(靴底)の厚みが、踵から爪先にいたるまで均等に3mm。
ミニマリスト・シューズを使用するグループは、ミニマリスト・シューズになれるための練習(ふくらはぎの強化やバランスのトレーニング)を行いました。
結果

普通のランニング・シューズで走ったグループは、半年後にも足の筋肉に変化がありませんでした。 これに対してミニマリスト・シューズで走ったグループでは、外来筋(膝の下から踵にかけて付いている筋肉)が7%、内在筋(踵から爪先にかけて付いている筋肉)が9%近く増えていました。 内在筋は、踵側よりも爪先側で筋肉量が大きく増えていました。

ミニマリスト・シューズで走ったグループではミニマリスト・シューズの使用頻度に差があったのですが、ミニマリスト・シューズを使うことが多いほど筋肉がよく成長していました。

解説
ミニマリスト・シューズを使用すると筋肉が増えるのは、ミニマリスト・シューズにクッションや土踏まずのサポートが備わっていないために、足に加わる刺激や外来筋と内在筋に要求される筋力が増えるためだと考えられます。