最低賃金が上がると心臓病で死ぬ人の数が減る?

(2018年4月) "Preventive Medicine" 誌に掲載されたエモリー大学(米国ジョージア州)などの研究によると、最低賃金が上がると心臓病で死ぬ人の数が減るかもしれません。

研究の方法

1980~2015年の米国連邦の最低賃金と州ごとの最低賃金のデータ(インフレ率補正済み)を用いて、
  1. 米国連邦の最低賃金と州ごとの最低賃金との差と
  2. 心臓病で死亡する率

の関係を調べました。

米国の最低賃金について

米国では連邦(米国全体)に適用される最低賃金というのが連邦法で定められていて、どの州も最低賃金をそれより安く設定することは出来ません。

ただし、連邦最低賃金よりも高い水準に州独自の最低賃金を設定することは可能です。 連邦の最低賃金または州独自の最低賃金のうち高いほうが適用されるということです。

連邦の最低賃金と各州の最低賃金との差は米国労働省が公表しています。 ジョージア州とワイオミング州は連邦最低賃金(7.25ドル)よりも低い5.15ドルとなっていますが、これは連邦の最低賃金に合わせて州の最低賃金を改定して形式を合わせるのを怠っているだけで、実際には他の州と同じように連邦の最低賃金が適用されます。

結果

35~64才では、州の最低賃金が連邦の最低賃金より1ドル高くなるごとに心臓病で死亡する人の数が10万人あたり約6人(年率3.5%)減っていました。

65才以上では、最低賃金と心臓病で死亡する率との間に統計学的に有意な関係が見られませんでした。

日本の最低賃金

厚生労働省によると、日本の最低賃金は全国平均で848円です。 最低賃金が最も高いのは東京で958円、最も低いのは福岡を除く九州各県などの737円です。