抜けた歯の本数が多い人では心臓発作などのリスクが増加

(2015年6月) "Journal of Dental Research" に掲載されたヘルシンキ大学などの研究で、抜けた歯の本数が多い人は心血管イベント(心臓発作など)・糖尿病・死亡のリスクが高いという結果になりました。

歯周炎などの炎症性口腔疾患は心血管疾患や糖尿病のリスクに関与していることが知られています。 歯周炎とは歯を支える組織に生じる慢性的な炎症疾患のことで、歯茎からの出血、歯の動揺、歯周ポケットの拡大などを症状とします。 歯周炎を放置していると歯が抜ける原因となります。 中高年においては歯周炎が抜ける原因として最も一般的です。

研究の方法

この研究では、25~75才のフィンランド人 8,446人を対象に、包括的なアンケートと健康診断を実施して抜けた歯の本数を記録したうえで13年間にわたる追跡調査を行いました。

結果
主な結果は次のようなものです:
  • 研究開始の時点で歯が5本以上抜けていたグループでは冠動脈疾患イベントのリスクが60%(1.6倍に)、そして急性心筋梗塞(心臓発作)のリスクが140%(2.4倍に)増加していた。
  • 歯が9本以上抜けていたグループでは、心血管疾患のリスクが51%、糖尿病のリスクが51%、死亡のリスクが37%増加していた。 歯が全く無いグループにおけるこれらのリスク増加率は40~68%だった。
  • 抜けた歯の本数と脳卒中のリスクとの間には関係が見られなかった。

これらの分析においては(心血管疾患や糖尿病などに関する)既知のリスク要因を考慮しました。

結論
研究チームは、歯が数本抜けるだけでも心血管疾患・糖尿病・死亡リスクが増加している可能性があ り、慢性疾患(心血管疾患や糖尿病)のリスク判定の材料として歯の残り本数を用いることが出来るかもしれないと結論付けています。