ミトコンドリアへの酸化ストレスが老化の原因?

(2014年9月) "Free Radical Biology and Medicine" 誌に掲載されたペンシルバニア大学などの研究によると、老化のプロセスにミトコンドリア(細胞の発電所と呼ばれ、食べたものをエネルギーに変える)に加わる酸化ストレスが関与している可能性があります。

この研究で、遺伝子改造によりミトコンドリアに機能不全が生じるようになったマウスを作ったところ、生後1年(ヒトで言えば中年初期)の時点で毛が白くなり、筋肉量が落ち、心臓疾患が生じました。

そして独自の最新技術を用いてこのマウスのミトコンドリアの DNA を調べたところ、DNA に枯渇、欠失、複製時の異常などが見られました。 マウスの筋肉細胞に酸化ストレスを加えても同様の結果となりました。 しかも、酸化ストレスが多いほど DNA のダメージも増加していました。

ミトコンドリアから生じた ROS(活性酸素種)は細胞によって除去されますが、ROS の発生量に除去量が追いつかなくなったときに酸化ストレスが生じます。 研究グループは、老化に伴う ROS の発生によりミトコンドリアが損傷を受けるのではないかと考えています。

上記の遺伝子を改造したマウスでは、主要な抗酸化物質群の体内量も通常より少なくなっていました。抗酸化物質には体組織から ROS を除去する作用があります。

今回の研究では、酸化ストレスが(ミトコンドリアのDNAの)欠陥に関与している可能性が示唆されました。 したがって、抗酸化物質を用いるか、ミトコンドリアの酸化をターゲットとする化合物を用いてミトコンドリアの DNA を健全に保つのが加齢による健康の衰えを防ぐのに有効であると思われます。