閲覧以外で当サイトのコンテンツを利用する場合には必ず引用・転載・ネタ探しをするときのルールに目を通してください。

コーヒー飲用量が適度であれば心臓病・脳卒中のリスクが下がるけれど...

(2017年4月) "European Journal of Nutrition" に掲載されたヘロコピポ大学(ギリシャ)などの研究で、コーヒーを飲む量が適度であれば心血管疾患(心臓発作や脳卒中)を予防する効果が期待できるかもしれません。

コーヒーを適度に飲む習慣がある場合に心血管疾患のリスクが低かった一方で、飲む量が多すぎる場合にはリスクが高かったのです。

研究の方法

アテネに住む健康な男女2千5百人超のコーヒー飲用量をアンケート調査により調べたのち、10年間にわたり心血管疾患の発生状況を追跡調査しました。 データの分析においては、心血管疾患のリスクに影響する様々な要因を考慮しました。

結果
コーヒーを全く飲まない場合に比べてコーヒーを飲む習慣がある場合には、飲用量に応じて心血管疾患になるリスクが次のように異なっていました:
  • 飲用量が150ml/日未満の場合: -56%
  • 飲用量が150ml/日~250ml/日の場合: -51%
  • 飲用量が250ml/日超の場合: +148%

コーヒーを1日あたり1~2杯飲む習慣がある場合には心血管疾患のリスクが半減するけれど、飲用量がそれよりも多いとリスクが2.5倍弱に増加していたというわけです。

メタボリック・シンドロームの有無による違い

追跡開始の時点でメタボリック・シンドロームだったグループとそうでないグループとに分けて分析すると、メタボリック・シンドロームではなかったグループでのみ適度のコーヒー飲用により心血管疾患のリスクが下がるという関係が見られました。 メタボリック・シンドロームの人では、コーヒーを適度に飲む習慣があっても心血管疾患のリスクは下がっていませんでした。

これまでの研究
これまでにもコーヒー飲用と心血管疾患の関係について調べた研究が複数行われていますが、それらの結果は次のようにバラバラです:
  • コーヒーを多量に飲む習慣がある人は心血管疾患になることが多い。
  • コーヒーを適度に飲む習慣がある人は心血管疾患になることが少ない。
  • コーヒーを飲む習慣がある人は、飲用量にかかわらず心血管疾患になることが多い。
  • コーヒーを飲む習慣と心血管疾患のリスクとは無関係である。

このように結果が異なるのは、研究によって研究手法・研究対象となる層(人種・性別・年齢など)・食生活・コーヒーの種類などが異なるためだと思われます。

高血圧の人は特に飲み過ぎに注意

複数の研究で、高血圧の人がコーヒーを大量に(3~4杯以上/日ほど)飲む習慣があると心臓発作のリスクが顕著に増加することが示されています。

ただし高血圧の人でも、運動習慣があればコーヒーを飲む習慣により心臓発作のリスクが増えることは無いという研究もあります。 運動習慣に、カフェインが循環器系に及ぼす悪影響を相殺する効果があるのではないかと考えられます。