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適量のコーヒーに心臓病や脳卒中を予防する効果?

(2017年3月) "Nutrients" 誌に掲載されたサン・パウロ大学の研究によると、コーヒーに心血管疾患(心臓病や脳卒中)のリスクを下げる効果が期待できる可能性があります。

研究の方法

ブラジルに住む成人男女557人(平均年齢45才)を対象に、過去24時間における食生活に関するアンケート調査を実施し、さらに血圧測定と血液検査(*)を行って心血管疾患のリスクに影響する項目を検査しました。

そして、コーヒーの飲用量に応じて557人を3つのグループ(†)に分けて、血圧測定や血液検査の結果を比較しました。

(*) コレステロール・中性脂肪・空腹時血糖・ホモシステインの値を調べた。

(†) 次の3つのグループ: 1杯未満/日、1杯~3杯未満/日、3杯以上/日

データの分析においては、年齢・性別・太り具合・喫煙習慣・飲酒量・年収・カフェイン/ビタミンB類/糖類/脂肪/カロリー/摂取量・降圧剤/コレステロール低下薬の服用を考慮しました。

結果
コーヒー飲用量が1杯未満/日のグループに比べて、飲用量が1杯~3杯未満/日のグループでは、収縮期(最高)血圧が140mmHgを超えるリスク(オッズ比)が55%、拡張期(最低)血圧が90mmHgを超えるリスクが56%、そして高ホモシステイン血症(*)のリスクが68%低くなっていました。
(*) ホモシステイン値が20~59才では12μmol/L、60才以上では16μmol/Lの場合を高ホモシステイン血症とみなしました。 ホモシステインが過剰であると心血管疾患のリスクが増加します。
コーヒー以外の食品に由来するポリフェノールの摂取量を考慮して分析しても同様の結果となった(*)ことから、コーヒーに含まれるクロロゲン酸などのポリフェノールが血圧やホモシステイン値に好影響を及ぼしている可能性が考えられます。 ポリフェノールには強力な抗酸化作用があります。
(*) 高収縮期血圧54%・高拡張期血圧49%・高ホモシステイン血症71%のリスク低下。

コーヒー飲用量が3杯以上/日のグループは、高収縮期血圧・高拡張期血圧・高ホモシステイン血症いずれのリスクに関してもコーヒー飲用量が1杯未満/日のグループと変わりませんでした。

高収縮期血圧・高拡張期血圧・高ホモシステイン血症を除く検査項目とコーヒー飲用量とのあいだには関係が見られませんでした。

これまでの研究
これまでにもコーヒー飲用と心血管疾患の関係について調べた研究が複数行われていますが、それらの結果は次のようにバラバラです:
  • コーヒーを飲む習慣がある人は心血管疾患になることが多い。
  • コーヒーを多量に飲む習慣がある人は心血管疾患になることが多い。
  • コーヒーを飲む習慣と心血管疾患のリスクとは無関係である。
  • コーヒーを適度に飲む習慣がある人は心血管疾患になることが少ない。
このように結果が異なるのは、研究によって研究手法・研究対象となる層(人種・性別・年齢など)・食生活・コーヒーの種類などが異なるためだと思われます。