適量の飲酒習慣が心臓や血管の健康に有益

(2017年3月) "*The BMJ*" に掲載された英国の研究で、適量の飲酒により心血管疾患(心臓病・脳卒中・血管疾患)のリスクが下がるが飲酒量が多過ぎるとリスクが上がるという結果になりました。出典: Association between clinically recorded alcohol consumption and initial presentation of 12 cardiovascular diseases...

研究の方法

英国に住む30才以上の男女200万人近くを中央値で6年間にわたり追跡調査したデータを用いて、12種類の心血管疾患と飲酒量の関係を調べました。

「適量の飲酒」の定義

今回の研究では「適量」の定義を英国のガイドラインに基づきました。 男性では3ユニット/日、女性では2ユニット/日までが適量の飲酒であるとみなされます。

純粋なアルコール10mlまたは8gが「1ユニット」です。 ワインであれば75mlほど、一般的なビールであれば200mlほどが1ユニットに相当します。

結果

追跡期間中に11万件超の心血管疾患が発生しました。

適量の飲酒
適度に飲酒をする習慣があったグループに比べて、飲酒習慣が無かったグループでは心血管疾患のリスクが次のように増加していました:
  • 安定型狭心症: 33%
  • 心筋梗塞: 32%
  • 前兆の無い冠動脈疾患による死亡: 56%
  • 心不全: 24%
  • 虚血性脳卒中: 12%
  • 末梢動脈疾患: 22%
  • 腹部大動脈瘤: 32%
過度の飲酒
飲酒量が「適量」を超えていたグループは、飲酒習慣が無いグループに比べて、心血管疾患のリスクが次のように増加していました:
  • 前兆の無い冠動脈疾患による死亡: 21%
  • 心不全: 22%
  • 心停止: 50%
  • 一過性の虚血性脳卒中: 11%
  • 虚血性脳卒中: 33%
  • 脳内出血: 37%
  • 末梢動脈疾患: 35%

飲酒量が「適量」を超えていたグループでも心筋梗塞と安定型狭心症のリスクは12%と7%下がっていましたが、統計学的な有意性が微妙でした。

アドバイス
研究チームは次のように述べています:
「心血管疾患の予防を目的として飲酒の習慣を始めるべきではない。 心血管疾患の予防には、運動量を増やしたり禁煙したりするほうが効果的で安全である。 飲酒には依存症・ガン・肝臓病などのリスクがある」