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適量の飲酒が心臓や血管の健康に有益

(2014年7月) 適量の飲酒が心臓や血管の健康に有益であることを示す研究が2つ "Circulation" 誌に掲載されています。

心臓発作のリスク低下

カナダの研究グループが52ヶ国から得たデータを分析した結果、適量の飲酒の習慣がある人では、飲酒習慣が無い人に比べて、心臓発作のリスクが平均で13%低下していました。

この研究では、心臓発作を初めて起こした人 12,000人と、心臓発作を起こしたことの無い人 15,500人を対象に飲酒習慣に関するアンケートを実施しました。

データを分析したところ、南アジア(インドや、スリランカ、パキスタン、バングラデッシュなど)以外の地域では適量の飲酒によって心臓発作のリスクが下がっていました。

しかしながら、1週間あたりの飲酒量が4杯を超えると、飲酒による心臓発作予防効果は失われていました。 さらに、6杯以上を飲酒してから24時間以内には心臓発作のリスクが40%増加していました(このリスク増加は特に65才以上で顕著でした)。

研究者によると、適量の飲酒を嗜む人が他の生活習慣においても健康的で、それゆえに心臓発作のリスクが下がっている可能性もあります。

腹部大動脈瘤のリスク低下
スェーデンの Karolinska Institutet などの研究によると、飲酒に腹部大動脈瘤(AAA)のリスクを低下させる効果があると思われます。 ただし、この効果は一部の人に限られていました。
腹部大動脈瘤とは
腹部大動脈瘤とは、心臓から腹部や下半身に血液を送っている大動脈に動脈瘤が出来た状態のことです。 腹部大動脈瘤は破裂すると命にも関わりかねません。 喫煙と高血圧が主なリスク要因です。

この研究では、45才超の男女7万人を対象に食事(飲酒を含む)に関するアンケートの結果と、Swedish Health Registries から入手した AAA の発生状況に関するデータを分析しました。 14年間のうちに AAA と診断されたのは、男性 1,020人、女性 194人でした。

分析の結果、1週間あたりの飲酒量が1~2杯未満の人に比べて、週に4~6杯を飲酒する男性では20%、女性では44%、それぞれ AAA のリスクが低下していました。

男性では10杯/週、女性では5杯/週を上限として、飲酒量が増えるほどに AAA のリスクが低下していました。 お酒の種類では、ビールとワインで AAA のリスク低下が顕著でした。

ただし、適度な飲酒によって AAA リスクが変化していたのは、心血管疾患がある人に限られていました。(心血管疾患とは心臓病や動脈硬化、大動脈瘤など。高血圧は含まないようです)

研究者は次のように述べています:
「(ウイスキーなどの蒸留酒に対する)ワインやビールなどの醸造酒に含まれる抗酸化物質には有益な作用(AAA や心臓発作の発端となる血管壁の炎症を減少させる)があります」