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運動量の多少にかかわらず運動習慣で死亡リスクが低下

(2017年11月) "Journal of Epidemiology & Community Health" に掲載されたヴァンダービルト大学などの研究によると、適度な激しさの運動習慣がにより運動量の多少にかかわらず死亡リスクが下がることが期待されます。

研究の方法

中国在住でガン・冠動脈疾患・脳卒中の病歴がない中高年の男女12万人超の運動習慣を調べたのち、男性は平均9年間および女性は平均15年間にわたり生存状況を追跡調査しました。

結果

強度の運動をする習慣がある場合には無い場合に比べて、死亡リスクが14%低くなっていました。 一般的に推奨される運動量(*)満たない場合にも死亡リスクが低下していました。
(*) 中強度の運動を毎週150分(7.5MET時間/週)。

中強度の激しさの運動の量が多いほどに死亡リスクが低下していましたが、一般的に推奨される運動量の3~5倍に相当する運動量に達する辺りで、運動量の増加に伴う死亡リスクの低下は底打ちとなりました(推奨される運動量の3~5倍を超えて運動量を増やしても、死亡リスクのさらなる低下は見込めない)。

心臓病・脳卒中による死亡に限って分析しても、ガンなどによる死亡に限って分析しても、運動量と死亡リスクとの間に同様のパターンが見られました。

「MET時間」とは

「MET」とは「Metabolic Equivalent of Task(身体活動による消費カロリー)」のことです。 激しい身体活動であるほどMETの値は大きくなります。 例えば、時速2.7kmでの散歩のMETは2.3ですが、ジョギングのMETは7.0、縄跳びのMETは10.0です。

「MET時間」は「MET×経過時間」で計算します。 例えば、中強度の運動の1つである「早いペース(時速5.5km)でのウォーキング」は3.6METなので、この運動を週に2時間行えば3.6×2時間/週=7.2MET時間/週となります。

「~MET時間/週」という表現が用いられる場合、「~MET時間」という運動量を1週間のうちにどのように配分するかは自由です。例えば7.5MET時間/週ほどの運動量を達成しようとする場合にも次のような様々なバリエーションが可能です:

  • 毎週日曜日に1時間ほどジョギングする。(激しい運動)
  • 週末の土日に30分ずつジョギングする。(激しい運動)
  • ウォーキング(早いペースで)を週末の土日に1時間ずつ行う。(中程度の激しさの運動)
  • 毎日30分散歩する。(軽い運動)

関連研究

"EuroPRevent 2015" で発表されたフランスの研究でも、65才超の男女 1,000人超のデータを分析して非常にささやかな運動量(MET時間/週が1~3.74)であっても死亡リスクが50%ほど低いという結果になっています。