適度の飲酒でもガンの原因に

(2013年2月) "American Journal of Public Health" に掲載された 米国立ガン研究所(NCI)による研究で、飲酒とガンのリスクとの関係が調査されています。

研究の方法

2009年の Alcohol Epidemiologic Data System、Behavioral Risk Factor Surveillance System、そして 2009~2010年の National Alcohol Survey のデータなどを分析しました。

結果

ガンで死亡する30人につき1人(3.3%程度)で飲酒が関与していました。 特に乳ガンでは、死亡者の15%において飲酒が一因でした。 乳ガン以外に飲酒によるリスクの増加が顕著だったのは咽喉ガンと食道ガンでした。

お酒を控えめに飲めば良いかと言うとそうでもなく、飲酒が関与するガン死亡者の30%では、飲酒量は一日あたり1.5杯杯でした。

解説

研究者によると、アルコールは明らかにガンの原因となる物質です。 飲酒量が多いほどガンのリスクが増加しますが、少量でもリスクが増加しないわけではありません。

適度の飲酒は心臓に有益であることが示されていますが、研究者に言わせれば「総じて言えば、飲酒により早死にする人の数は飲酒で長生きする人の数の十倍」だそうです。

ガンのリスクという観点からは飲酒量は少ないほど良く飲酒しないのが一番なのですが、飲酒量を減らすだけでもガンのリスクは減少します。

過去の複数の研究でも、飲酒が口腔・咽喉・食道・肝臓・大腸・乳房のガンのリスク要因であることが示されています。

米国ガン協会によると、アルコールがガンの原因となる理由として考えられているのは次のようなものです:
  1. 感受性細胞を刺激してDNAの修復を阻害する、あるいはその他細胞を傷つける。
  2. 発ガン性物質(タバコの煙に含まれるものなど)の「溶剤」として作用し、発ガン性物質が細胞に入り込みやすくする。
  3. エストロゲンなどのホルモンの量を左右して乳ガンのリスクを増加させる。