死亡リスクは自分の健康状態の「感じ」に滲み出る

(2016年7月) "Psychoneuroendocrinology" 誌に掲載されたライス大学などの研究によると、長期的な死亡リスクの判定には、コレステロール値や血圧といった健康の客観的な目安よりも、本人の主観的な自己評価(*)のほうが有効かもしれません。出典: Self-Rated Health Worth Doctors' Attention
(*) 健康全般に関してどんな感じか。 自分の体調に関する印象。
まとめ
  1. 「HV活性化・炎症増加 = 死亡リスクが高い」 という関係がこれまでに知られている。
  2. 「HV活性化・炎症増加 = 健康の自己評価が低い」 という関係が今回明らかになった。
  3. したがって、「健康の自己評価が低い = 死亡リスクが高い」 と言える。
  4. HV活性化と炎症の程度を直接調べないのは、病院ではそういう検査をできないから。
研究の方法
ヘルペス・ウイルス(HV)に感染している 1,200人ほどの男女を対象に、36項目からなる健康自己評価のアンケートと血液検査を実施しました。 血液検査では、HVの活性度と炎症のバイオマーカー(*) を調べました。
(*) 体に生じている炎症の程度を示す物質の血中濃度。
ヘルペス・ウイルスについて

大部分の人が、少なくとも1種類のHVに感染しています。 感染しているHVは大部分を休眠状態で過ごすのでウイルス感染の症状は現れませんが、細胞レベルでは活性化して免疫系の反応を引き起こします。

今回の研究手法
今回の研究では、健康の自己評価を実際の死亡率とを照らし合わせる代わりに、HVの活性度と照らし合わせました。 HVの活性度は細胞の免疫力の格好の指標となります。 また、HVの活性度は炎症の程度にも表れます。 そして、HVの活性度と炎症の程度には、死亡リスクやガン・2型糖尿病・心臓病などの持病の有無が反映されます。
このように迂遠なことをする理由(読み飛ばしてもOK)
今回の研究の主旨は、病院で行う検査よりも健康の自己評価のほうが長期的な死亡リスクの判断手段として有効であるというものです。 したがって、「健康の自己評価が死亡リスクの判定に有効かどうかをHVの活性度を用いて調べるような真似をしなくても、病院でHVの活性度や炎症の程度を検査して死亡リスクを判定すればいいのではないか?」 という疑問が生じるでしょうが、研究チームによると、普通の病院ではHVの活性度の検査が行われることはありませんし、炎症の程度の検査もめったに行われません。 HV活性度や炎症の程度は長期的な健康状態を把握するうえでは優れた尺度ですが、短期的な健康状態の把握には向かないうえ、手間と時間がかかり過ぎるためです。
結果
健康の自己評価が低い人ほどHVが活性化していました。 そして、HVが活性化しているほど炎症が多く生じていました。