シマ蚊に対する蚊除けスプレーの効果比較

(2015年11月) "Journal of Insect Science" に掲載されたニューメキシコ州立大学の研究で、蚊除けスプレーは有効成分としてディートを使用するものが効果的であるという結果になりました。

研究の方法
シマ蚊(Aedes albopictus)と熱帯シマ蚊(Aedes aegypti )を対象に、7種類の蚊除けスプレーと、2種類の香料(*)、そしてビタミンB1(†)を成分として含む蚊除けパッチ(皮膚に貼って使う)の効果を調べました。

(*) Avon Skin So Soft Bath Oil と Victoria’s Secret Bombshell perfume。

(†) 蚊除け効果が報告されている。

7種類の蚊除けスプレーのうち有効成分としてディートを使用していたのは3種類、ディートが使われていないものが4種類でした。

結果

日本で問題となるのは熱帯シマ蚊よりもシマ蚊なので、シマ蚊に関する結果だけを以下に記載します。

ディート使用製品
ディート使用製品を手に塗った場合には、塗っていない場合に比べてシマ蚊が寄ってくる率が2時間にわたり減っていましたが、ディートの濃度が低い(*)製品ではこの効果が4時間以内で切れました。
(*) 25%と7%。 残りの1種類のディート濃度は98.11%。

ディートを高濃度で含む製品では使用直後から4時間後に至るまで、蚊が寄って来る確率が何も塗っていない場合に比べて1/3以下となる状態が安定的に持続していました。

ディート不使用製品
ディート不使用製品の効果はまちまちで、成分としてゲラニオール(*)5%と大豆油2%を含む製品は蚊除け効果が見られませんでしたが、ゲラニオール1%/ローズマリー・オイル0.5%/シナモン・オイル0.5%/レモングラス・オイル0.5%を含有する製品と、レモンユーカリ30%を含有する製品では、ディート使用製品には及ばないものの統計学的に有意な効果が見られました。
(*) 蚊除けの効果があるとされるゼラニウム(蚊連草)という植物から発見された物質。

蚊除け効果が認められたディート不使用製品は、塗ってから4時間が経過しても蚊除け効果が持続しており、何も塗っていない場合に比べて蚊が寄ってくる確率が1/2~1/3程度に減っていました。

その他の製品

さらに、2種類の香料のうち Victoria Secret Bombshell にも、(たっぷりと)塗ってから2時間に限って有意な蚊除け効果が認められ、蚊が寄って来る率が半分ほどに落ちていました。 ビタミンB1のパッチには有意な効果が見られませんでした。

コメント
研究者は次のように述べています:
「以前に行われた研究に(Victoria Secret Bombshell のような)フルーティーな花の香りは蚊を引き寄せてしまうという結果になったものがありますが、今回の研究では逆の結果になりました。 フルーティーな香りが煙幕のように人の存在を隠してくれるのかもしれません。」