蚊除けスプレーの効果は数時間しか続かない?

(2013年2月) "PLOS ONE" に掲載された英国の研究によると、蚊除けスプレーの有効成分であるディートには有効時間があります。 蚊はディートで一旦ひるむものの、その後は平気で血を吸うのだそうです。

ディートとは

ディートは第二次世界大戦後に、ジャングルでの活動用に米軍が開発した薬剤で、正式名称を「N,N-ジエチル-3-メチルベンズアミド」といいます。

ディートが蚊に対して作用する仕組みは長年不明でしたが、最近になって単に蚊がディートの臭いを嫌うのだということが示唆されています。

数時間で効果が失われる

今回の研究で対象となった蚊の種類は、デング熱や黄熱を媒介する熱帯シマ蚊(Aedes aegypti)です。 ディートを一面に塗布したヒトの腕を、熱帯シマ蚊に差し出したところ、蚊はとりあえず腕から退散しました。 ところが、数時間後に再び腕を差し出すと、ディートの効果が弱まっていました。

効果が失われる理由

この原因を調べるために、研究グループは蚊の触角に電極を取り付けました。 そうして蚊の触角に存在する受容体の反応を記録した結果、(ディートに二度目に暴露された蚊では)ディートに対する蚊の感受性が鈍くなっていることが明らかになりました。

人間の嗅覚も同じ臭いに晒されていると、やがてその臭いに慣れてしまうそうですが、それと同じようなことなのでしょうか。

キャンプ場などのように虫除けスプレーが頻繁に使われる場所では虫除けスプレーの効果が薄そうですね。 自分が虫除けスプレーを使うのは初めてでも、他の人の使った虫除けスプレーでディートに慣れた蚊には刺されるでしょうから。
ディートが効かない蚊

この研究グループが過去に行った研究に、遺伝子改造をした蚊に対してはディートが通用しないという結果になったものがあります。

野生の蚊の中にこの遺伝子改造と同様の遺伝子変異を起こしたものがいるかどうかは不明ですが、もしいるとすれば蚊は長期的にもディートに対する耐性を獲得しつつあるということになります。