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2才児には運動技能と数学的能力の両方を促進する遊びをさせよ

(2015年9月) "European Journal of Early Childhood Education" に掲載されたノルウェーの研究で、2才児において運動技能(*)と数学的能力(†) の間に対応関係が見られるという結果になりました。

(*) 服を着る、ジグソーパズルをする、スプーンやフォークで食事をする、ハサミを使う、物にぶつからずに室内を歩き回る、遊具を使う、キャッチボールをするなど。

(†) 指を使って自分の年齢を示せるか、形・色・サイズなどの認識能力を要求する玩具で上手に遊べるか、ボディーランゲージや言葉を用いて物の大小の違いを示せるか、数字を使った表現をできるか、オタマジャクシの絵を描けるかなど。
研究の方法

2才9ヶ月の子供450人を運動技能の優劣に応じて3つのグループ(良くない・普通・良い)に分けて数学的能力の発達の程度と照らし合わせました。

結果

運動技能の優劣は数学的能力の発達と対応関係にありました。 運動技能が優れている子供は数学的能力のあらゆる面において発達が進んでいたという具合です。 運動技能が良くないグループと良いグループの間では数学的能力に大きな差があり、運動技能が良くないと数学的能力も良くありませんでした。

留意点

運動技能と数学的能力の関係が3才以降になっても同じように続くのかどうかは今後の研究で調べる必要があります。

コメント
研究者は次のように述べています:

「身体活動を通じて得る経験は数学的能力の発達にとっても重要です。 例えば、戸外で遊ぶ・登る・這う・隠れるといった活動は空間認識能力の発達に寄与しますし、絵を描く・色を塗る・ブロック玩具で遊ぶなどの活動は形とサイズに関する感覚の発達に寄与します」

「また、正しい順番で服を着る、玩具をかたずける、全員にカップを配って指をさして数え上げるなどの行為では論理的思考能力と運動技能の両方が要求されます」

「今回の研究で数学的能力と運動技能との間に密接な関係性が見られたわけですが、これは必ずしも一方を強化すればもう一方も向上するということではありません」

「今回の結果からはむしろ、両方を同時に強化するというホリスティックな(全体論的な)アプローチが有効であると考えられます。 ノルウェー(1才から幼稚園に行くことが多い)の幼稚園では既にホリスティックなアプローチを重視しています。 数学的能力や運動技能など複数の領域の発達を同時に促すような遊びをさせることが大切です」

「数学的能力と運動技能はどちらも、2才児の時点での生活だけでなく将来の発達と学習においても重要となります。 数学的能力と運動技能の確立が早いほど子供にとっては有利です。 運動技能が劣っている子供については、数学的能力の発達が遅れていないかどうかに注意が必要です」