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精神的なストレスにより不飽和脂肪の健康上の有益性が掻き消されてしまう

(2016年9月) 飽和脂肪よりも健康に良いとされる不飽和脂肪ですが、"Molecular Psychiatry" に掲載されるオハイオ州立大学の研究によると、不飽和脂肪の健康上の有益性は精神的なストレスによって消滅してしまうかもしれません。

研究の方法
平均年齢53才の女性58人(*)に、飽和脂肪(†)が使われた朝食と一価不飽和脂肪(‡)が使われた朝食をそれぞれ別の日に食べてもらいました。

(*) 38人が乳ガンの病歴がある人、20人が健康な女性。

(†) あまり健康に良くないとされる。 この研究で使われたのはパーム油(椰子油)。

(‡) 比較的健康的であるとされる。 この研究で使われたのはオレイン酸を豊富に含むヒマワリ油。
そして、血液検査を行って健康の指標となる物質(*)の血中濃度を調べたり、前日までに受けた精神的ストレスの程度を調査したりしました。 ストレスの原因となる出来事は、例えば、子供が床にこぼした絵の具を掃除するとか、認知症の親が「介護なんていらない」と強がるのをなだめつつ介護するといった日常的なものでした。
(*) 炎症の程度の指標となるC反応性タンパク質(CRP)と血清アミロイドA。 そして、動脈硬化のリスクを知るための2種類の細胞接着分子。 合計で4種類の物質。
結果

2日のうちのいずれかの前日までに精神的ストレスを経験したという女性が31人、両方の日の前日までにストレスを経験したという女性が21人、どちらの日でも前日までにストレスを感じていなかったという女性が6人でした。

飽和脂肪は不健康
飽和脂肪を含有する朝食を食べた後には、不飽和脂肪を含有する朝食を食べた後に比べて、健康の指標となる4種類の物質の濃度が高まっていました(*)
(*) 以下を考慮したうえでの結果です: ①年齢 ②腹部脂肪の量 ③身体活動量 ④朝食前の時点における種類の物質の血中濃度
ストレスで脂肪の違いによる差が消滅

ところが、朝食を食べた当日の前日までにストレスを感じたという女性に限ると、飽和脂肪を食べた場合と不飽和脂肪を食べた場合とで、健康の指標となる4種類の物質の濃度にまったく違いが見られませんでした。

解説
なぜ炎症の程度を調べたのか?

炎症の程度を示す血中濃度が重要なのは、慢性的な炎症が心臓病・糖尿病・リウマチなど様々な病気に関与しているためです。

健康的な食事であれば話は別かも
今回の研究では脂肪の種類の違いがもたらす差を鮮明にするために、意図的に高カロリーで高脂肪なファーストフードに酷似する朝食(*)にしました。 したがって、野菜・果物・食物繊維を豊富に含み脂肪含有量も少ない健康的な食事の場合には、今回と同じ結果とはならない可能性があります。
(*) 930kcalで、脂肪含有量は60g。 ビッグマックと同程度のカロリーと脂肪量。
アドバイス
研究者は次のように述べています:
「今回の結果をもって 『ストレスを受けたときには不健康な食品であっても好きなだけ食べられる』 と考えるのは間違いです。 むしろ、ストレスを受けるときに備えて普段から健康的な食生活を心がけるべきです。 そうしておくことで、ストレスで健康状態が悪化するときにも健康状態に余裕を保てます」