筋肉痛を冷やしても根本的な効果は無い

(2013年6月) 筋肉痛など筋肉を傷めたときに冷やすのは効果が無いことがフランスの研究で明らかになりました。 厳密に言えば、冷却は、腫れや筋肉細胞の電気的活性には僅かに効果がありますが、筋肉の強度低下や(長期的な)痛みを抑える効果はありません。

筋肉を傷めたときに冷やすというのは1970年代から行われてきました。 冷却には痛み止めの効果はありますが、筋肉組織の損傷を防ぐ効果については研究結果がまちまちでした。

研究の方法

筋トレで筋肉痛になってもらった24人の男性を2つのグループに分け、一方のグループには筋トレ直後、および筋トレから1日後・2日後・3日後に冷却治療を行い、もう一方には何もしませんでした。 冷却治療の内容は、-30℃の気体を4分間×3回にわたり患部に吹き付けるというものでした。 そして、筋トレから2週間にわたって追跡調査しました。

結果

トレーニング翌日には、いずれのグループでも筋力が低下していました。 冷却治療を受けたグループにおいて、治療の効果が見られなかったのです。 筋肉痛は筋トレから数日後に最高潮に達したのち、2週間が経つうちに徐々に解消されてゆきましたが、その後複数回にわたる冷却治療によっても両グループが感じる痛みに違いは生じませんでした(冷却直後の短期的な痛みの解消はあった)。

ただ、炎症のマーカーであるC反応性タンパク質(CRP)の増加については両グループで異なっていました。 冷却治療を受けなかったグループでは、筋トレ後の3日間のあいだCRPが93%増加していたのに対して、冷却治療を受けたグループではCRPは一定でした(つまり、筋トレ後にも増加しなかった)。

この研究では、筋電図検査も行われ、その結果、冷却治療を受けたグループでは、筋トレ後の2日間に限っては筋肉の活性が維持されていることがわかりました。 ただし、2日後以降は、もう一方のグループと同様に筋肉の活性が衰えていきました。

解説
研究者によると、両グループ間に見られるこれら2点の差異(炎症と筋肉の活性)は些細なもので、筋肉のパフォーマンスへの影響はありません。 ただし、研究者は「冷却治療には、腫れを抑える効果や、二次的な傷害を抑止する効果、痛みを一時的に抑える効果があり、副作用も無い」とも述べています。 また、今回の研究は筋肉の損傷についてのものであり、関節の損傷などに対して冷却治療の効果について調べたものではありません。