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音楽のジャンルにより血圧を下げる効果に差がある

(2016年6月) "Deutsches Aerzteblatt International" 誌に掲載されたルール大学ボーフム(ドイツ)の研究によると、音楽を聴いて血圧が下がるかどうかは音楽のジャンルによって異なります。

研究の方法
120人のうち半数にあたる60人の被験者を次の3つのグループに分けました:
  1. モーツァルトの曲を聴くグループ
  2. ヨハン・シュトラウス2世(*)の曲を聴くグループ
  3. ABBA(アバ)(†)の曲を聴くグループ

(*) 19世紀の音楽家。

(†) 1970年代に活躍したスウェーデンのポップ・ミュージック・グループ。 男女2名ずつの計4人。
音楽を聴く60人はそれぞれの音楽を25分間にわたり聴きました。 音楽を聴かない60人には何も聴かずに安静にしていてもらいました。 そして、この25分間の前後に、コルチゾール(*)の血中濃度・心拍数・血圧を測定しました。
(*) ストレスのホルモン。 血管を収縮させて血圧を上げる作用がある。
結果
血圧
モーツァルトの曲とシュトラウスの曲を聴いたグループでは、収縮期(最高)血圧と拡張期(最低)血圧がいずれも顕著に下がっていました(*)が、ABBAの曲を聴いたグループでは血圧は下がっていませんでした。 音楽を聴かなかった60人は血圧に変化がありませんでした。
(*) モーツァルトの曲を聴いたグループでは、最高血圧が4.7mmHgおよび最低血圧が2.1mmHg下がっていました。 シュトラウスの曲を聴いたグループでは、最高血圧が3.7mmHgおよび最低血圧が2.9mmHg下がっていました。
心拍数

心拍数も血圧と同じような結果でした。

コルチゾール
音楽を聴いた60人と音楽を聴かなかった60人全員でコルチゾールが下がっていましたが、音楽を聴かなかった60人よりも音楽を聴いた60人(3つのグループ)の方が明らかにコルチゾールが大きく下がっていました。
モーツァルト: -4.56μ/dL、シュトラウス:-4.76μ/dL、ABBA:-3.00μ/dL、何も聴かない:-2.39μ/dL
音楽の趣味との関係

音楽が血圧や心拍数に及ぼす効果と個々の被験者の音楽的な趣味との間に関係は見られませんでした。 例えば、ポップ・ミュージックが好きでクラシックは嫌いだという人であっても、クラシックを聴くと否応なく血圧が下がってしまったわけです。

結論

モーツァルトの曲とシュトラウスの曲に血圧と心拍数を下げる効果が認められましたが、ABBAの曲には認められませんでした。

血圧降下効果が最も強かったのはモーツァルトの曲でした。 今回の試験に使用されたモーツァルトの曲は「交響曲第40番 ト短調 KV550」でした。

血圧を下げてくれる曲の特徴
研究チームによると、血圧を下げてくれる曲には次のような特徴があります:
  1. 曲の周期性が強い(同じメロディーが繰り返される)。
  2. メロディーラインがキャッチー(1度聞くだけで魅了される)。
  3. 音楽の調子(キー)が心地よい。
  4. 作曲が技巧的である。
  5. 音量やリズムがあまり変化しない。
  6. 和音の進行(Harmony sequences)が気持ちを高ぶらせるようなものでない。
  7. 歌詞(ボーカル)が存在しない楽器だけの曲。
  8. 名の知られた作曲家である。