家庭内暴力や愛情不足で子供がナルシシストになり親を攻撃する

(2015年12月) "Developmental Psychology" 誌に掲載されたデウスト大学(スペイン)の研究によると、家庭内暴力・家族間の愛情的でポジティブな交流の欠如(*)・許容的な育児(†)により、思春期になる頃には子供がナルシシストになり親に対して暴言を吐いたり暴力をふるったりします。

(*) 家庭内暴力についても家族間の交流についても、両親間と親子間の両方を含む。

(†) 子供に制限を課さない育児。
研究の方法

スペインのビスカヤ県の中高生591人を対象に3年間にわたる聞き取り調査を行い、ナルシシズムと親に対する攻撃性との関係を調べました。

結果
調査の1年目に暴力にさらされた子供は、調査3年目に親に対して攻撃性を示すようになっていました。 調査1年目に親子間の関係が疎遠だった子供も同様に、調査2年目にナルシシスト的で過大な自己像を抱くようになり、3年目には父母に対して攻撃性を発揮するようになっていました。
ナルシシストな子供は、自分が欲しいものは全て直ちにその場で自分のものとなるべきであると感じます。 拒絶されることを受け入れず、親が制限を課そうとすると攻撃的に反応します。
コメント
研究者は次のように述べています:

「責任感と敬意を持たずに子供を育てると、子供は容易に攻撃的な態度を示すようになります。 子供が幼いときに親が暴力的であった場合には、子供が攻撃的な態度を示すリスクが増加します」

「親に対する攻撃性は、特に子供が13~15才の時期には激怒と制御不能な振る舞いとなって現れ、親を肉体的および精神的に傷付けようとします。 親の物を盗んだり壊したりもします。 親に対する攻撃性に男女差はなく、最近ではむしろ女の子に増えています」
気質も関与

研究者によると、子供の攻撃性は両親の姿勢だけで決定されるものではなく子供の気質にもよります。 男女を問わず一部の子供は衝動性が強く、他者から暴力的な振る舞いを速やかに学んでしまうのだそうです。

このような子供は要求不満を感じたり「拒絶された」と感じたりしやすい傾向にあり、そのように感じるとまず叫んだり罵ったりし、続いて暴力をふるいます。

アドバイス

研究者によると、思春期の子供に攻撃的な振る舞いが見られるようになったら、子供のナルシシスト的な自己像を是正する、敬意と我慢を教え込む、子供を暴力から隔離するなどの対策が推奨されます。

また、自分が子供に日常的に見下されていると感じる場合、あるいは子供に脅威や恐怖を感じる場合には専門家に相談するべきであるとも述べています。