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たった1つの質問でナルシスト度を判定

(2014年8月) "PLoS ONE" 誌に掲載されたオハイオ州立大学などの研究によると、質問を1つするだけでナルシシスト(ナルシスト)的な性質の強さを判定することができます。

ナルシシストとは

ナルシシストというと世間的には「自分の容姿の美しさを自画自賛する人」という意味で使われていると思います。

「ナルシシスト」という言葉の語源(ギリシャ神話のナルキッソス)からすると、この使い方で正しいのですが、辞書における「ナルシシスト」の定義には「自分の肉体の美しさの賛美」以外に、「自分本位、自己中心的な性質」という意味もあります。

この研究において「ナルシシスト」や「ナルシシズム」というのは、後者の意味で用いられているようです。 自己愛性パーソナリティ障害のような精神医学的な分野の話なのでしょうか。

"Narcissistic Personality Inventory"(下記)では、虚栄心、自己顕示、他人の利用、権威(者であろうとする?)、優越感、自己完結、特権意識などがナルシシズムを構成する要素とされています。

質問の内容

その質問とは次のようなものです:

『ナルシシスト』 とは自分本位で、極度に自己中心的で、見栄っ張りな人のことですが、あなたは自分がナルシシストだと思いますか?

この質問に対して、1(あまり思わない)~7(強くそう思う)の7段階で答えてもらいます。

研究者によると、この質問が自分に当てはまると回答する人がナルシシストです:

「自分が他人よりもナルシシスト的であるとすすんで認める人は、おそらく実際に他人よりもナルシシスト的です。

ナルシシストは自分がナルシシストであることを誇らしくすら思っています。 『ナルシシストである』ということを忌避すべき性質だとは思っていないのです。 ナルシシスト達は自分が他者よりも優れていると感じており、そのことを隠す必要を感じていません」
1つの質問で40の質問と同じ判定結果

ナルシシズムの判定には通例 "Narcissistic Personality Inventory(NPI)" という40ほどの質問から成るツールが用いられますが、今回開発されたこの1つの質問(Single Item Narcissism Scale、"SINS")では NPI とほぼ同じ結果が得られました。

つまり、1つの質問をするだけの SINS で40の質問をする NPI とほぼ同じ結果が得られるというわけです。 ただし、NPI では SINS と違って、ナルシシズムの種類などもわかります。

ナルシシズムの有利点と不利点

今回の研究では全年齢層の男女 2,200人超を対象に11の実験を行ないましたが、SINS においてナルシシズムの傾向が強いと判定された人には、①ポジティブである、②外向的である、③僅かに鬱になり難いなどの良い面もありました。

一方、悪い面は、①人の意見に同意しない、②怒り・恥・恐怖を感じやすい、③人間関係が苦手、④自我が脅威にさらされるときには向社会的(社交的で利他的)な行動を忌避する傾向にあるなどでした。 また、ナルシシズムの傾向が強い人は長期間の恋愛関係を維持するのが苦手な傾向にありました。

ナルシシズムの影響は個人だけでなく社会にまで及びます:

「例えば、ナルシシスト的な性質の強い人は、他者に共感する能力が低いことがわかっています。 他者への共感というのは、募金やボランティアなどの利他的な行為を行なう動機となります。 自分自身のことや自分の利益のことしか考えない人は、他人を助けようとしません」

「ナルシシスト本人にとってもナルシズムは問題となります。 『自分が偉大だ』と思っている人は自分が向上するための努力なんてしませんから」