マインドフルな性質の人は太りにくい

(2015年10月) "International Journal of Behavioral Medicine" に掲載されたブラウン大学の研究で、性質的にマインドフルな人は太っていることが少ないという結果になりました。

「マインドフル」とは今の自分の気持ちや感情を自覚しているという状態のことで、そういう状態へと自らを導くマインドフルネス瞑想法という技術もありますが、そのような技術を用いなくても自然とマインドフルであることが多い性質というものがあります。

研究の方法

米国在住の394人のウェストとヒップの脂肪の量を測定し、BMI・健康状態・生活習慣・生活環境などに関するデータを収集したうえで、Mindfulness Attention Awareness Scale(MAAS)と呼ばれるマインドフルネスの程度を把握するための15項目から成るアンケート(下記参照)に回答してもらいました。

結果
年齢・喫煙習慣・社会経済的状態(収入・職業・学歴など)などの交絡要因を考慮しても、MAASのスコアが低いグループはスコアが高いグループに比べて肥満である率が34%高くなっていました。 さらに、スコアが低いグループは高いグループに比べて腹部脂肪が平均で448g多くなっていました。
34%という数字も448gという数字も統計学的に有意です。

この結果から、マインドフルな気質というのが太り具合に対して小~中程度の影響を及ぼすと思われます。

また、MAASのスコアが低いグループには、子供の頃には肥満ではなかったのに大人になってから肥満になるというケースが比較的多く見られました。

仮説

ヒトは進化の結果、カロリーを摂れる時に摂り休める時に休むという性質を持つようになっています。 文明が発達するまではこの性質が生存に有利に働いたのですが、現代社会においてはこのような性質は肥満を助長します。

研究者は、マインドフルな精神状態がこのような性質の抑制に一役買っているのではないかと考えています。 これまでの複数の研究でマインドフルな精神状態が過食を抑制したり健全な食生活を選択したりするのに有益であることが示されています。
自分が自動で動いている(マインドフルでない)状態のときには本能が顔を出して、闇雲にカロリーを摂ったり休んだりしてしまうということでしょうか。 マインドフル状態でない時間が長いと、本能が命じる不健康な行動をしかねない時間が長くなる。
MAASについて
MAASの質問項目は例えば次のようなものです:
  • いま何が起こっているのかに集中し続けるのは困難だ。
  • 何かを感じても何かを感じたことに気づくのがしばらく経ってからだ。
  • 不注意のため、あるいは他の考え事をしているために何かをこぼしたり壊したりしてしまう。
  • 目的地まで歩くときに、その道中に気を払うのではなく目的地のことだけを考えて足早に歩く。
  • 体の不調(肩こりなど)が悪化してからでないと不調に気づかない。
  • 初対面の人に名前を告げられても、ほぼすぐに忘れてしまう。
  • 何をしているかを意識することがあまりなく自分が自動で動いている気がする。
  • 最終目標に集中するあまりに自分がいまやっていることが上の空だ。
  • 人の話を聞いているときにも何か他のことをしている。
  • 将来のことや過去の出来事ばかりが胸中にひしめいている。
  • 間食に対して無自覚だ(ほとんど無意識のうちにオヤツに手が伸びる)。
このような項目に自分がどの程度該当するかを「ほとんど常に」から「ほとんどない」までの6段階(アンケートによっては7段階)で評価します。