認知症やハンチントン病の症状が犯罪行為として表れることも

(2015年1月) "JAMA Neurology" オンライン版に掲載されたルンド大学(スェーデン)などの研究で、認知症やハンチントン病の患者がどの程度の割合で犯罪行為を行うのかが調査されています。

研究の方法
この研究では 1999~2012年にカリフォルニア大学サンフランシスコ校の認知症関連の医療機関(Memory and Aging Center)で診察を受けた神経変性疾患の患者 2,397人のデータを用いて、患者達にどのような種類の犯罪行為がどの程度の頻度で見られたかを調査しました。
神経変性疾患
神経変性疾患とは、アルツハイマー病やハンチントン病、パーキンソン病などのように中枢神経中の特定の神経細胞群が徐々に死んでゆく病気のことです。

2,397人の中には、アルツハイマー病の患者が545人、振る舞いに異常が見られる(性格が変わる)タイプの前頭側頭型認知症(bvFTD)の患者が171人、意味性認知症の患者が89人、ハンチントン病の患者が30人含まれていました。

結果

2,397人のうち8.5%(204人)に神経変性疾患を発症してからの犯罪行為歴がありました。 疾患別の犯罪行為歴率は次のようなものでした:

  • アルツハイマー病 - 7.7%(42/545人)
  • bvFTD - 37.4%(64/171人)
  • 意味性認知症 - 27%(24/89人)
  • ハンチントン病 - 20%(6/30人)

犯罪の種類は、bvFTDでは、窃盗・交通違反・(犯罪的な)求愛・不法侵入・立ち小便などが主でした。 アルツハイマー病患者では交通違反が一般的で、多くの場合物忘れが関与していました。 立ち小便をしたのは全員が男性で、求愛も女性より男性に多く見られました(女性5.1%に対して男性15.2%)。

神経変性疾患では、判断力・感情抑制力・性的な行動・暴力・自己認識などに関与する神経構造に異常が生じるのが原因で、反社会的あるいは犯罪的な行動が見られることがあります。