不安感や嫉妬心に弱い女性は認知症やアルツハイマー病になりやすい

(2014年10月) "Neurology" 誌オンライン版に掲載されたヨーテボリ大学(スェーデン)の研究で、神経質(*)な中年女性は年を取ってから認知症やアルツハイマー病を発症しやすいという結果になりました。
(*) 神経質(ニューロティシズム)とは、苦悩や、不安感、嫉妬心、気分のムラを感じるという性質のことです。 このような人は、怒りや、罪悪感、妬み、不安感、鬱症状を示しがちです。
アルツハイマー病のリスク要因としてこれまで研究対象となってきたのは、学歴、心臓・血管の健康、頭部の外傷、家族歴、遺伝子などですが、今回の研究によると個人の性格に起因する行動や、生活習慣、ストレスへの反応の違いも認知症のリスクに影響している可能性があります。

この研究では、平均年齢46才の女性800人を38年間にわたって追跡調査し、性格診断テストを実施して神経質の程度と外向的か内向的かを調べ、さらに記憶力のテストを行いました。 800人のうちの19%が認知症を発症しました。

さらに、仕事や健康、家庭などを原因として一ヶ月間以上にわたってストレスを感じたことがあるかどうかも尋ねました。 ストレス(の症状)とは、イライラ感、緊張感、神経過敏(ナーバス)、恐怖感、不安感、睡眠障害などのことです。

ストレスの程度は0(ストレスを全く感じたことがない)~5(過去5年間のあいだずっとストレスを感じている)の6段階に分類しました。 ストレスの程度が3~5の女性を「苦悩がある」とみなしました。

このような調査の結果、神経質の程度が最高水準にある女性では、最低水準にある女性に比べて認知症のリスクが2倍に増加していました。 ただし、この神経質と認知症の関係は、長期間にわたるストレスがある場合に限られていました。

内向的か外交的かという性格の違いは、それだけでは認知症のリスクは増加していませんでしたが、内向的かつ苦悩を感じやすいという女性ではアルツハイマー病のリスクが最大でした。 この研究において、内向的かつ苦悩を感じやすいという女性の数は63人で、そのうちの25%にあたる16人がアルツハイマー病を発症しました。 これに対して、外向的で苦悩を感じにくいという女性でアルツハイマー病になったのは64人中8人(13%)だけでした。

つまり、神経質な女性は、

  1. 長期間のストレスにさらされると認知症のリスクが増加し、
  2. 内向的な性格を兼ね備えているとアルツハイマー病のリスクが増加する
ということでしょう。