1才までを不潔な環境で育てるとアレルギーに強い子に育つ

(2014年6月) "Journal of Allergy and Clinical Immunology" に掲載されたジョンズ・ホプキンス大学の研究によると、生後1年間のうちに、ネズミやゴキブリ、ペットに由来するアレルゲン(糞やフケなど)あるいは多種多様な雑菌に接触した子供では、アレルギーや喘息・喘鳴のリスクが減少すると思われます。

研究者は次のように述べています:
「今回の研究から、免疫応答の多くが生後1年のうちに形成されること、そして免疫系に刺激を与えて鍛えるうえで一部の細菌やアレルゲンが重要な役割を果たしていることが示唆されます。 アレルゲンに初めて接触する時期が重要なのだと思われます」
研究の方法

この研究では、米国の都会に住む新生児467人の家にお邪魔してアレルゲンやホコリに含まれる細菌の量の測定と新生児の健康診断を行ったのち、3年間にわたって新生児の健康状態を追跡しました。

結果
主な結果は次の通りです:
  • ネズミや飼い猫のフケ、ゴキブリの糞が存在する環境で1才になるまでの時期を過ごしたグループでは、そうでないグループに比べて、3才の時点で喘鳴(呼吸時にゼーゼーという音がする)であるリスクが減少していた。
  • このリスクは、接触していたアレルゲンの種類が多いほど減少していた。
  • 家庭に存在する細菌が多様であったグループの方が、3才の時点でアレルギーや喘鳴を起こすリスクが低下していた。
  • 家庭に存在するアレルゲンの量や細菌の多様性が最高水準にある子供の比率が、アレルギーも喘鳴も無いというグループでは41%だったのに対して、アレルギーと喘鳴の両方があるグループでは8%に過ぎなかった。 (つまり、清潔な家で育った子供にアレルギーと喘鳴が多かった)
解説

過去の研究に、農場で育った子供にはアレルギーや喘息が少ないという結果になったものがあります。 農場の土壌中に含まれる細菌類に日常的に接触するためにアレルギーや喘息になり難くなるのだと考えられています。

他方、別の複数の研究では、都会に住む子供のうちゴキブリやネズミに由来するアレルゲンや汚染物質に大量にさらされた子供では喘息のリスクが増加するという結果になっています。 この結果は今回の結果と矛盾するように思えますが、実はそうではありません。

今回の研究でも、ゴキブリやネズミに由来するアレルゲンが大量に存在する家庭の子供全体で見た場合には、アレルギーと喘息になるリスクは増加していました。 1才になる前にアレルゲンに接触した場合に限ってリスクが減少していたのです。