乳児の便秘と嘔吐のうち警戒すべきもの

(2015年5月) 生まれて間もない乳児が吐いたり2~3日間にわたる便秘に時々なったりするのは必ずしも異常ではありませんが、吐き方や便秘の頻度によっては乳児の体内に生じている胃腸関連の先天性奇形が原因となっている可能性があります。 出典: The Medical Minute: Knowing When Infant Tummy Troubles May Be Serious

ペンシルバニア州立ハーシー子供病院の小児外科医である Dorothy Rocourt医学博士によると、次の3つの場合には至急に医師の診察を受ける必要があります:

  • 1週間あたりの便通回数が2回未満である場合。
  • 嘔吐物が緑色である場合。
  • 放射線を描くように勢いよく嘔吐する場合。

また、もう少し長期間にわたる兆候としては、身長や体重が思うように増えないというのも深刻な異常のシグナルであることがあります。

これらの症状の原因となりうる先天性奇形の代表例は次のようなものです:
  • 閉鎖症
    閉鎖症とは消化管の一部が狭まっていたり欠如したりしている状態のことです。 食道が気管とつながるタイプの食道閉鎖症では、胃液が気道に流れ込んで肺に炎症が生じたり、母乳をきちんと飲めなかったり、場合によっては呼吸困難になったりします。 閉鎖症が腸に生じていると嘔吐物が緑色になることがあります。 腹部膨満(お腹が膨らむ)も閉鎖症の症状かもしれません。
  • 幽門狭窄
    幽門狭窄(ゆうもんきょうさく)とは胃と十二指腸(胃と小腸の間に位置する)との接続部の筋肉が異常に厚くなった状態のことです。 幽門狭さくが生じていると、母乳を飲んでも吸収できず赤ちゃんはお腹を空かせています。 勢いよく嘔吐するのは幽門狭さくが原因であることがあります。 参考記事: 哺乳瓶による授乳で幽門狭窄のリスクが増加
  • ヒルシュスプルング病
    ヒルシュスプルング病(先天性巨大結腸症)は、神経節の不在が原因で生じます。 腸の神経節が存在しないと、腸が緩まないために食事が通らなくなります。 便秘がひどい場合にはヒルシュスプルング病の可能性もあります。
  • 肛門直腸奇形
    肛門直腸奇形とは、肛門が位置に異常が生じることです。
  • 腸回転異常症
    腸回転異常症とは腸の位置に異常が生じることで、とても深刻な状態です。 小腸がよじれるために血液供給が減少したり完全に途絶えたりします。

これらの先天性奇形の治療にはいずれも外科手術が必要となります。 1度の手術で済むこともあれば、複数回の手術が必要となることもあります。 手術後にも定期的に医師の診察を受けます。

ただし、これらの先天性奇形の発生率はそう高くはありません。 閉鎖症は 4,500人に1人、幽門狭さくは乳児の100人に1人、腸回転異常症は 6,000人に1人の割合で生じます。 また、大部分のケースは生後1~2日目で新生児が未だ病院に滞在している時点で発覚します。