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ナイアシン(ビタミンB3)でコレステロールが改善されても心臓発作や脳卒中のリスクは下がらず副作用だけ

(2014年7月) これまで50年ほども高コレステロールの治療に用いられてきたナイアシン(ビタミンB3、ニコチン酸)ですが、"New England Journal of Medicine" に掲載された研究によると、ナイアシンは心臓発作や脳卒中のリスク軽減に効果が無いばかりか、危険な副作用が起こる恐れもあるので、もはや使用するべきではありません。

研究の方法

50~80才の心血管疾患患者であってスタチンを服用中の人たちを対象に、長期放出型のナイアシンおよびラロピプラント(ナイアシンによる火照りを防止する薬)とプラシーボとで心臓発作と脳卒中のリスクに違いがあるかどうかを4年間かけて調べました。

結果

ナイアシンによってコレステロールは改善されるものの心臓発作と脳卒中のリスクは下がっていませんでした(プラシーボの場合と違いが見られなかった)。

そればかりか、ナイアシンでは総死亡率(死因を問わない死亡率)が増加する傾向にあったうえに、深刻な副作用(*)のリスクが有意に増加していました。
(*) 肝臓の異常・過剰な感染症・過度の出血・痛風・(糖尿病患者で)血糖値の制御不能・糖尿病の発症
解説

ナイアシン療法により200人に1人の割合で死亡者が増えると推算されています。 したがって、ナイアシンの利用は、心臓発作や脳卒中のリスクが高いのにスタチンを使うことのできない一部の患者のみに留めるのが良いと思われます。

ナイアシンには善玉のHDLコレステロールを増やす作用があります。 HDLコレステロールが多いと心血管イベント(心臓発作や脳卒中など)のリスクが下がるはずなのですが、複数の臨床試験において、ナイアシンによりHDLコレステロールが増えても冠動脈心疾患などの心血管疾患のリスクが下がらないという結果になっています。

また、ナイアシンには中性脂肪とLDL(悪玉)コレステロールを下げる作用もあり、この作用が冠動脈心疾患のリスク低下に寄与することが期待されています。

コメント
研究者は次のように述べています:

「最近行なわれた複数の臨床試験では、スタチン療法に加えてHDLコレステロールを増やしても望みどおりの効果が得られないという結果になっています」

「心血管疾患リスクの高い患者が脳卒中と心臓発作を予防するには、許容範囲量のスタチンを用いてLDLコレステロールを減らしたうえで、(ナイアシンを用いる代わりに)生活習慣を改善するのが良いでしょう」