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ナイアシン(ビタミンB3)が結直腸ガンの予防に有効かも

食物繊維には腸の炎症を抑えて結直腸(大腸から盲腸を除いた部分)ガンの発症リスクを減らす効果がありますが、"Immunity" 誌(2014年1月)に掲載された米国の研究によると、ナイアシン(ビタミンB3)にも同様の効果があると考えられます。

したがって、食物繊維(結直腸ガンのリスクを減らす効果があると考えられている)をあまり摂らない人では特に、ナイアシンを大量に服用するのが結直腸ガンの予防に有効だと思われます。

今回の研究では、遺伝子を改造した(GPR109a という受容体を欠落させた)うえで、抗生物質によって腸内細菌を排除したマウスにナイアシンを投与するという実験を行いました。(このように特殊なマウスを用いた理由については後述)

このようなマウスでは結腸において炎症とガンが起こりやすくなっていましたが、ナイアシンを投与することで免疫細胞が抗炎症モードになり、結直腸ガンになり難くなりました。

研究者によると、ナイアシンの大量服用(による抗炎症作用)は、潰瘍性大腸炎や、クローン病、家族性腺腫様ポリープ(FAP。 胃腸にポリープができるという遺伝性の疾患)に対しても有益であると考えられます。

食物繊維が腸で抗炎症作用を発揮する仕組み
食事などで摂取した食物繊維は、腸内の細菌によって酪酸塩という短鎖脂肪酸に分解されます。 そして、この酪酸塩が Gpr109a という免疫細胞(マクロファージと樹状細胞)に存在する受容体を(おそらく結腸においてのみ)活性化させます。

そうすると、Gpr109a 受容体を有するマクロファージと樹状細胞が、抗炎症性の分子を生産し、同時に T細胞(免疫系において主要な役割を果たす白血球細胞)にシグナルを送ります。 シグナルを受けたT細胞も抗炎症性の分子を生産するようになります。

さらに、結腸内壁の上皮細胞も酪酸塩に刺激されてサイトカインの生産を開始します。 サイトカインとは、傷の治癒に関与するタンパク質です。

マウスの遺伝子を改造して腸内細菌を排除した理由
つまり、食物繊維は、腸内細菌で酪酸塩に分解され、その酪酸塩が免疫細胞と結腸の上皮細胞に作用して、炎症を抑える、あるいは腸の損傷を直すのに寄与し、その結果として結直腸ガンを予防する効果を発揮しているということでしょう。

今回のマウス実験で GPR109a 受容体と腸内細菌を排除したのは、このような食物繊維による結直腸ガン予防効果を排除して、ナイアシンによる予防効果を浮き彫りにするためなのだと思います。