夜中~朝方のうちに手術を受けると死亡リスクが2倍に増加

(2016年8月) 香港で開催中の "World Congress of Anaesthesiologists" で発表されたマギル大学(カナダ)の研究によると、夜中から明け方のうちに手術を受けると病院の正規の診療時間中に手術を受ける場合に比べて死亡リスクが2倍になります。

夕方以降に手術を受ける場合や、正規の診療時間内であっても診療時間の後半に手術を受ける場合にも死亡リスクが増加していました。

研究の方法
カナダの Jewish General Hospital という病院で 2010年~2015年の5年間のうちに行われた手術のデータを調査しました。 調査対象となったのは、待期的手術または緊急手術(*)のうち局所麻酔が用いられた手術と眼科の手術(†)を除いたものでした。

(*) リンク先ページの4段落目に説明あり。 (†) 局所麻酔が用いられるケースが多く、一般的な手術室で行われない。

データに含まれる患者の人数は3万4千人ほどで、手術件数は4万2千件近く、入院件数は4万件ほどでした。

結果

4万2千件の手術のうち緊急手術は1万件超でした。 この1万件のうち診療時間中(午前7:30~午後3:29)に行われたのは 3,445件、夕方以降(午後3:30~11:29)に行われたのは 4,951件、夜中以降(23:30~翌朝7:29)に行われたのは 2,084件でした。

手術が行われた時間帯ごとの死亡件数は次のようなものでした(カッコ内は緊急手術における死亡件数):
  • 診療時間中: 226件(79件)
  • 夕方以降: 97件(95件)
  • 夜中以降: 29件(29件)

手術後の死亡リスクに影響する年齢などの要因を考慮しつつデータを分析したところ、夜中以降に手術を受けたグループは日中に手術を受けたグループに比べて、手術後30日以内に死亡するリスクが2倍超に増加していました。 夕方以降に手術を受けたグループでも43%の死亡リスク増加でした。

解説
研究チームによると、正規の診療時間外の手術で死亡リスクが増加する理由としては以下が考えられます:
  • 医療スタッフの疲労。
  • 夜間の医療スタッフの問題(人手不足?)。
  • 治療の遅れ(利用可能な手術室の数)。
  • 手術をする前の時点で患者の容態が悪い。