一酸化窒素で輸血用血液の品質を維持

(2013年6月) 輸血用の血液にも使用期限というものがあって、輸血された血液が古いと酸素を運ぶ能力が衰えているために輸血された患者が低酸素症になってしまいますが、この問題に対して Case Western Reserve University(米国)の研究チームが輸血用の血液の品質を維持するための方法を考案しています。

保存により減少する血液の成分

研究グループはまず、保存されている輸血用血液で S-ニトロソヘモグロビン(SNO-Hb)が減少していることを明らかにしました。 SNO-Hb には血管を拡張する作用があり、この作用によって酸素が細胞に届きやすくなります。 SNO-Hb は、ヘモグロビンと一酸化窒素が結合することで生じます。

一酸化窒素で品質を維持

次に研究グループは、保存されている血液に、再ニトロシル化(renitrosylation)という方法で、一酸化窒素を添加し、この血液をマウス、ネズミ、および羊に輸血するという実験を行いました。 実験には、採血から1日、7日、および14日が(一酸化窒素を添加したうえで)経過した血液を用いました。

手始めに、げっ歯類(マウスとネズミ)に輸血してみると、一酸化窒素を添加していない血液よりも、添加した血液のほうが、輸血されたげっ歯類の血中酸素濃度が高くなっていました。 次に、貧血のげっ歯類と、同じく貧血の羊で同様の実験を繰り返しましたが、こちらでも同じ結果でした。

今回の結果から、輸血用血液の保存に一酸化窒素の添加が有効である可能性が示唆されます。